大学や専門学校・高等学校などの教育費に悩んだら、真っ先に頼りになるのは公的ローン「国の教育ローン」です。
審査に通りやすいと言われる日本政策金融公庫「国の教育ローン」、入学資金に利用する人が多いですが、申込みにはコツが必要です。この記事では、国の教育ローンを使いこなすために知っておきたい世帯年収など利用条件と必要書類、奨学金との違い、審査落ちの対処方法まで2024年版として解説します。
さらに筆者が、国の教育ローン融資担当者から直接聞いた「ぜひ知っておきたい賢い利用方法」を特別に公開します。
- はじめに
- 申し込み前に知っておこう。国の教育ローンってどんなローン?
- 「国の教育ローン」申し込み条件
- 国の教育ローンの必要書類
- 国の教育ローン、実体験から分かった賢い申し込み方法
- 【情報】万が一、国の教育ローン審査に落ちてしまったら…どうしたらいい?
*教育費のつなぎ融資に最適な低金利カードローン ▼銀行カードローンなら! ・楽天銀行スーパーローン ▼30日無利息の大手カードローン ・プロミス(WEB完結・郵送物一切なし) ・アイフル(WEB完結・郵送物一切なし) ▼三井住友銀行ユーザーなら ・SMBCモビット(申込の曜日、時間帯によっては翌日以降の取扱となる場合があります) |
はじめに
「国の教育ローンの申し込み方法?インターネットとか郵便で申し込んで、審査を受けるだけでしょ?コツなんてあるの?」
はい、もちろん申し込んで審査に通れば借りられます。
しかし、実際に国の教育ローンを利用した筆者から言わせると、教育資金調達は知らないと損をすることがたくさんあるのをご存じでしょうか?
国の教育ローンは世帯所得制限など条件が細かい一方、いろいろな優遇措置が用意されています。申込時の必要書類が多いことでも知られていますので、事前リサーチは欠かせません。
申し込み前に知っておこう。国の教育ローンってどんなローン?
「国の教育ローン」と呼ばれるローン、正式名称は「株式会社日本政策金融公庫教育一般貸付」です。政府系金融機関取扱いの教育ローンなので、公的融資・公的資金の教育ローン、とも言われています。
国の教育ローン利用条件の早見表
まず、国の教育ローンの概要をまとめてみました。「知ってる!」という方も、今一度チェックしてみてください。
教育一般貸付(国の教育ローン) |
|
金利(年利) 2024年11月1日~ |
2.35% (固定金利・保証料別) ※ただし、以下の場合は上記利率の▲0.4%(固定金利・保証料別)となる ・交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭 ・世帯年収200万円(所得132万円)以内 ・子ども3人以上(注)の世帯かつ世帯年収500万円(所得356万円)以内(注)扶養している子は年齢・就学の有無は問わない |
限度額 (子供1人につき) |
350万円または450万円※ ※450万円まで利用できるのは、以下の場合 ・自宅外通学、修業年限5年以上の大学(昼間部)、大学院、海外留学の資金(修業年限3ヵ月以上の外国教育施設に留学する場合) |
融資実行(融資金振込)までの時間 |
20日程度(審査10日、その後融資に10日。急ぎの場合は相談可) |
保証 |
連帯保証人または公益財団法人教育資金融資保証基金※という保証会社を利用 ※以下の場合は通常の1/2の額に優遇 ・交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭 ・扶養する子どもの人数が3人以上で世帯年収500万円(所得356万円)以内 【注意】令和6年8月1日(木)融資分から保証基金の保証料が引上げになります。 |
返済期間 2022年4月~ |
18年以内(元利均等返済方式か元金据置方式) ※家庭状況に関わらず、一律18年に延長 |
融資申し込み方法 |
インターネット、郵送、最寄りの支店窓口 |
2022年度の改正で、返済期間が15年から一律18年に延長されたことが、大きなポイントでしょう。また、優遇される家庭状況に交通遺児家庭が追加されています。
では具体的にみていきましょう。
国の教育ローンは何に使える?【使える学校と使いみち】
日本公庫の教育ローン制度は、入学金や授業料といった学校納付金だけでなく、受験料や学生の生活費など幅広い教育関連費に使うことが可能です。
奨学金が入学金に使えないことから、進学費用を中心に、教育ローンの第一選択肢として知られます。
国の教育ローンが使える教育機関
「国の教育ローン」の融資対象は、修業年限が6ヵ月以上(外国の教育施設は3ヵ月以上※)で、中学校卒業以上の方を対象とする教育施設、となっています。
⇒大学、大学院(法科大学院など専門職大学院を含む)、短期大学 ⇒専修学校、各種学校(予備校、経理学校など) ⇒高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部 ⇒海外の高校、高専、短大、大学、大学院など ⇒職業能力開発校などの教育施設 |
対象になっている学校なら、社会人がステップアップのために通学する場合も利用できます。
なお、対象となっている学校でも、まれに国の教育ローンの利用に一定の要件を求められることがあります。また、義務教育期間中に利用する各種学校や塾・予備校などの費用には、国の教育ローンは使えません。
国の教育ローンで可能な使途(使いみち)
国の教育ローンは、以下のような使途で利用可能です。
・入学金、入学費用、授業料などの学校納付金(大学納付金) ・受験料、交通費、宿泊費などの受験にかかる費用 ・下宿代、学生寮、家賃や敷金など在学のためにかかる住居費や学生生活の生活費、在学費用 ・テキストや教科書代金、教材費、パソコン代、通学定期代 ・修学旅行代や本人の国民年金保険料などもOK |
国の教育ローンの金利ってお得?
国の教育ローン(教育一般貸付)の金利は、かなり低金利。
例えば、大手銀行「無担保型教育ローン」の金利は、以下のようになっています(2024年7月29日調べ)。
民間金融機関名 |
金利 |
限度額 |
借入期間 |
三井住友銀行(無担保型) |
変動金利3.475% |
300万円以内 |
10年以内 |
三菱UFJ銀行(ネット受付) |
変動金利3.975% |
500万円以内 |
10年以内 |
みずほ銀行 |
変動金利3.475% 固定金利4.800% |
300万円以内 |
10年以内 |
国の教育ローン |
固定金利2.35% (母子家庭などの優遇世帯は0.4%引き下げ) ※2024年11月1日~ |
350万円 海外留学等の場合は 450万円以内 |
18年以内
|
国の教育ローンの金利も上昇傾向ですが、銀行教育ローンと比較すると格段に使いやすい金利・条件設定です。
▼国の教育ローンの金利情報kyouikuloans.hatenablog.com
国の教育ローンの審査基準は?
「審査が甘い」「いや、むしろ審査は厳しい」などと言われる国の教育ローンですが、実際の審査基準はどのようになっているでしょうか?
公式ホームページでは、提出した資料(必要書類)をもとに、
・勤務状況や収入(所得)の状況
・住宅ローンやほかのローンの状況
・公共料金の支払い状況
など、様々な内容から総合的に判断する、としており、在籍確認(勤務先に電話をかけて、その職場に勤務しているかどうかを確認する作業)も行われます。
国の教育ローンが一般的なローンと異なるのは、世帯収入の上限額が決められている点です。
通常のローンでは収入が少ない場合、返済に不安があるとして審査は不利になります。しかし国の教育ローンでは、利用条件の収入を超えていれば審査落ちします。
つまり国の教育ローンの利用には、世帯収入が基準以下である必要があるため、低所得世帯にとっては「審査が甘い」と言われることがあります。
一方で所得制限を満たしていても、多額な借金があったり、公共料金の延滞があったりする場合は、当然ながら審査通過は難しくなります。そうすると「審査が厳しい」と感じる人が出てくるのです。
つまり、国の教育ローンの審査通過には、申込みの基準を満たしたうえで、金融事故などがない、一般的に健全な家計状況が必要といえるでしょう。
国の教育ローンは奨学金とどこが違う?借りるのは学生?親?
国の教育ローンとよく比較検討されるのは、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金です。
独立行政法人日本学生支援機構は、日本で最もポピュラーな奨学金制度で、昔の「日本育英会」の流れを汲んでいる奨学金です。「日本育英会ならお世話になったよ」という親世代の人も多いでしょう。
その他、大学や専門学校など学校が独自に設定している奨学金や、企業・各種団体が給付・貸与している奨学金、給付型(返済不要)の奨学金もあります。
▼2018年度から本格導入された給付型奨学金。2020年度からは大学無償化の流れで、さらに手厚い支援内容となっています
奨学金貸与の最大の特徴は、申込人および貸与・給付の対象が学生本人ということでしょう。つまり、貸与型奨学金は学生本人の借金になります。返済開始後の毎月の返済額を必ずシミュレーションして、計画的に利用額を検討してください。
一方、国の教育ローンは、学生の両親(保護者)のうち主に世帯収入を維持している人が借り主になります。つまり、親の借金です。仮に延滞したとしても、学生の債務にはなりません。
▼国の教育ローンと奨学金の違いについては、こちらに詳しく!kyouikuloans.hatenablog.com
国の教育ローン、追加融資は可能?注意点は?
国の教育ローンは、子ども一人当たり、融資限度額上限は350万円(条件を満たせば450万円)です。これは借入残高が350万円に達するまでは、追加融資が可能ということ。
例えば100万円を借り入れし、返済を開始して借入残高が50万円になった時点で追加融資を受ける場合、融資可能額は300万円となります。融資金額の合算で350万円、という意味ではなく、その時点での残枠が融資可能です。
追加融資の申し込みは、通常の申し込みと同じように、インターネット経由で手続きできます。
ただし、注意が必要なのは、申し込み1回毎に書類の提出と審査が必要という点です。カードローンのように極度枠が設定されて「1回審査が通ったら350万円まで無条件に借りられる」わけではありません。
注意点としては、追加融資分は初めの申し込み分とは別口のローンになる点が挙げられます。つまり、申し込んだ口数分だけ毎月の返済が発生する、という意味です。
カードローンの場合、毎月の返済額は一定に保てますが、国の教育ローンは借りたローン本数分だけ、毎月の返済額も合算で増えます。無計画に追加融資すると毎月の返済総額が高額になる場合があり、ご注意ください。
コラム「日本政策金融公庫について」
「国の教育ローン」と言いながら、取扱いは「株式会社 日本政策金融公庫」です。これはどういうことなのでしょう? 国の教育ローンを貸し付けている日本政策金融公庫は、組織としては「株式会社」です。しかし、実は株式の100%を国が保有(つまり100%国が出資)している、政策金融機関※のひとつです。 ●公庫では教育ローン以外の融資も多数取扱いあり 日本政策金融公庫は、教育貸付(教育ローン)だけの組織ではありません。大きく分けて、 ・国民生活事業(教育ローンはココ!) ・中小企業事業 ・農林水産事業 の3つの事業分野で貸付を取り扱っています。 銀行から融資が受けにくい中小企業の運転資金や、設備資金などの事業資金・事業融資・小口融資、これから事業を起こす創業者への創業融資、女性やシニアの小規模起業を後押しする融資など、さまざまなプランがあるが特徴です。 公庫の融資申込みには、事業計画書や創業計画書、企業概要書、決算書など指定の提出書類が必要です。また、融資審査では個人信用保証協会の内容照会のほか、審査担当者と経営者の面談や、企業に担当者が足を運んでの訪問調査、融資相談も行われます。 |
「国の教育ローン」申し込み条件
ここからは、審査通過に重要な、国の教育ローンの申し込み条件について解説しましょう。
国の教育ローン申し込みの2つの条件
国の教育ローンの利用には、次にあげる2つの条件を満たす必要があります。
- 【条件1】進学先(進学予定先)が融資対象の学校になっているかどうか
国の教育ローンの利用は、冒頭でもご紹介したように、大学や短期大学、専修学校など、融資対象となっている教育機関に進学する・または在籍していなくてはいけません。
- 【条件2】子どもの数に応じた世帯年収条件にあてはまること
国の教育ローンの利用には、世帯年収制限があります。
世帯年収の上限金額は、その世帯で扶養している子どもの数ごとに決定しています。世帯年収が、該当する子供の数の上限額以内であれば、利用可能です。
ご注意!世帯年収制限
国の教育ローンの世帯年収制限は、扶養している子どもの数により、以下のようになっています。
▼ 国の教育ローンの年収制限(2022年5月現在)
扶養している 子の人数 |
世帯年収の上限 |
事業所得者の 所得上限 |
特定の用件を 満たす場合の年収(所得) |
1人 |
790万円 |
600万円 |
990万円(790万円) |
2人 |
890万円 |
690万円 |
|
3人 |
990万円 |
790万円 |
|
4人 |
1090万円 |
890万円 |
|
5人 |
1190万円 |
990万円 |
この場合の上限額は世帯全体の収入額です。申込者の配偶者や家族のパート・アルバイト・年金など、世帯すべての収入を含めた総額で計算します。
自営業・個人事業収入の場合は、年収ではなく「事業所得者の所得制限」の金額で判断します。
また、世帯の中に会社員と個人事業主がいる、など給与所得者と事業所得者がいる場合は、全てを所得計算で判断します。例えば世帯主がフリーランスで配偶者が会社員、とか、世帯主が会社員で配偶者が自営でショップ経営、という場合などです。
このような場合は給与をもらっている会社員の収入も所得ベースに直してから合算して判断します。
年収制限の特定条件とは?
申込みの世帯収入については、上にあげた表の右端「特定の要件を満たす場合」の特例があります。世帯で扶養する子どもの数が1人または2人の場合、特条件に当てはまれば、世帯収入制限の額が上がります。
特定の要件とは、つぎのような場合です。
▼ 国の教育ローンの世帯年収の特定条件
・勤続(営業)年数が3年未満 ・居住年数が1年未満 ・世帯に自宅外通学者(下宿している人)がいる ・申込者か配偶者が単身赴任 ・今回の融資が海外留学資金 ・申込者の借入返済金が年収の30%超 ・親族に要介護者(要支援者)がいて、介護費用を負担 ・大規模な災害で被災した人 (詳細はhttps://www.jfc.go.jp/n/finance/search/pdf/saigaitokurei.pdf ←PDFで開きます) ・新型コロナウイルス感染症の影響を受けて世帯の収入または所得が減少した人 (詳細はhttps://www.jfc.go.jp/n/finance/search/pdf/kyoiku_tokurei_1.pdf ←PDFで開きます) -------------------------------------------------------------- 【注意!以下の要件は以前は使えましたが、現在は廃止されています!】 ・世帯年収の学費負担率が30%超 ・世帯年収の学費+住宅ローンの負担率が40%超 ・親族に「高額療養費制度」「特定疾患治療研究事業」または「小児慢性特定疾患治療研究事業」の利用者がいて、療養費用を負担 |
子供が1人または2人の場合でこれらの要件のいずれかを満たせば、年収条件が緩和されます。最近引っ越したとか、兄弟が進学で下宿している、祖父母が要介護になっている、など一つ満たせばよいので、適用ケースは多いと思われます。また、新型コロナウイルス感染症の関係で世帯収入が減少した場合も、対象となっています。
なお、上の注意書きのように、以前あった一部要件は廃止されています。
母子家庭や父子家庭などの場合
シングルマザー・シングルファーザーなど、ひとり親家庭には様々な福祉支援政策があります。しかし、進学年齢に差し掛かったお子さんがいる場合、大学進学費用の準備で悩むケースも多いでしょう。
日本政策金融公庫の教育ローンは、母子家庭・父子家庭には金利優遇措置があり、一般の人よりも0.4%引き下げられます。
また、新たに2022年4月から交通遺児家庭が対象に加えられたほか、世帯年収200万円(所得132万円)以内の場合や、子ども3人以上の世帯かつ世帯年収500万円(所得356万円)以内の場合も、金利優遇対象となっています。
生活保護家庭の場合
上でも述べたように、国の教育ローンでは、世帯年収200万円以内の人には金利優遇措置が設けられています。したがって、年収が200万円に満たない低所得世帯でも、申し込み・利用は可能です。
しかし、生活保護を受けている場合は取扱いが少々複雑になり、注意が必要です。
生活保護は「収入がない世帯」が利用できる制度です。しかし教育ローンや奨学金の利用によってお金が動くと、その分が収入として扱われ、生活保護の打ち切りにつながるケースがあります。
また、生活保護世帯では、仮に教育ローンに申し込んでも返済が難しいと判断され、審査通過が非常に困難になっているようです。
このような場合の対策としては、例えば進学者(学生)が世帯を分けて世帯主となったうえで、奨学金を利用するケースが知られています。しかし各世帯ごとの事情や状況はさまざまだと思われますので、必ずお住まいの地域の担当ケースワーカーと相談するようにしてください。
【情報】生活福祉資金貸付制度とは?就学支度費と教育支援費
低所得世帯などで教育費に使える支援制度は、国の教育ローンや奨学金以外にあるでしょうか? 実はあまり知られていませんが、各都道府県の社会福祉協議会では、低所得世帯や障害者世帯、高齢者世帯向けに、一時的なお金の貸し付けを行う制度を持っています。 「生活福祉資金貸付制度」と呼ばれるこの制度は、多様な資金援助に対応しており「教育支援資金」として借りることも可能です。 教育支援費貸与は、 ・就学支度費として50万円 ・教育支援費として大学なら毎月6.5万円まで いずれも無利息で借入が可能です。卒業後半年以内に返済を開始し、返済期間は最長20年です。ただし借入の際には、世帯内で連帯借受人を設定することが必要です。 給付ではなく貸付なので、当然ながら利用の際には審査があり、実際のところ利用はかなり狭き門とのこと。原則的に「生活保護を受ける直前の世帯の救済」のための支援ですが、実際には生活保護と併用が可能と言われています。 都道府県により若干貸与条件が異なるようです。詳しく聞きたい・利用したい場合は、最寄りの社会福祉協議会に問い合わせしてください。 |
▼国の教育ローンの申込書についてはこちらで解説しています
国の教育ローンの必要書類
日本政策金融公庫の教育一般貸付をスムーズに申し込むには、必要書類をあらかじめ確認、準備しておくのがポイントです。国の教育ローンは書類の準備に手間どる人が多いので、しっかりチェックしておきましょう。
申し込み時に必要な書類
国の教育ローン融資申し込みには、以下のような書類が必要です。
▼日本政策金融公庫 必要書類
借入申込書 |
※インターネットから申し込んだ場合は不要です。 書面で申し込む場合は、教育ローンコールセンターから取り寄せし、申込者本人が自署すること。 |
住民票の写し または住民票記載事項証明書 |
世帯全員の続柄が記載された住民票の原本を提出。 ※本籍地・マイナンバーの記載は不要です。 |
運転免許証またはパスポート |
本人確認書類としていずれかのコピーを提出。本籍地の記載は付箋などで隠してコピーするか、コピーの該当箇所を黒く塗りつぶして提出のこと。 運転免許証で裏面に但し書きがあれば、裏面のコピーも必要。 ※どちらも用意できない場合はコールセンターに問い合わせのこと。 |
源泉徴収票または確定申告書(控え) |
直近分を用意すること。 ※連帯保証人を立てる場合は、連帯保証人の分も用意する。 |
預金通帳や領収書など(直近6ヵ月分以上) |
住宅ローンまたは家賃と、公共料金の支払いを確認できるものを用意する。 ※郵送で申し込む場合は、コピーを送付すること。その際、通帳の金融機関名・預金口座番号がわかる部分もコピーする。 ※公共料金は、電気・ガス・水道・電話などのうち、2種類以上確認できるように用意。 ※コンビニ支払い等は領収書を用意 ※クレジット払いの場合の提出書類は後述 |
住民票などは役所に取りに行けば揃いますが、公共料金の支払いの証明などは、意外と手間取るケースもあります。
公共料金をクレジットで支払っている場合は?
筆者が国の教育ローンを使う際に最も苦労したのは、公共料金の支払い明細を提出することでした。というのも、公共料金をほとんどクレジット払いにしていたから。当然通帳には、合算されたクレジット利用代金の引き落としの記録しかありません。
日本政策金融公庫の事務局に問い合わせたところ、クレジット明細のコピーに「電気」「電話料金」など該当箇所をマーキングし、引き落とし口座との付け合せが分かりやすくできるようにして提出してください、とのことでした。
当時、筆者はクレジット明細を保存していたので助かりましたが、最低半年分必要とのこと。もしクレジット明細を処分していたら、カード会社に再発行を依頼してください、とのことでした。
ただ最近では、
・ネット銀行で通帳自体がなく、取引明細も追加料金が必要だから発行していない
・クレジット明細はWEB明細なので、紙ではもらっていない
といった家庭も珍しくありません。サイトから日付をさかのぼってプリントアウトも可能ですが、こまめにPCに保管しておくと安心です。
過去の明細が閲覧できない場合は、それぞれ取引のある銀行やカード会社に確認をしてください。
質問・不明点がある場合は、ホームページに掲載してある教育ローンコールセンターや、最寄りの公庫の本・支店を活用してください。分かりやすく回答してくれます。
また国の教育ローンのホームページには、専門家による役立つ教育費コラムなども充実。返済額や返済期間・融資額に悩んだ場合も、返済シミュレーションが利用できますので、ぜひ活用してください。
▼国の教育ローンと公共料金のクレジット払いについてはこちらでも。
追加書類が必要なケースは?
上記書類に加え、つぎに該当する場合は、追加書類を用意してください。
- 入学資金(進学者)の場合
合格通知書や入学許可証など、入学を証明できる書類を用意してください。合格発表前に申し込んでいる場合は、合格したら速やかに提出しましょう。
- 在学資金(在学者)の場合
学生証や在学証明書など、在学を証明できる書類を準備してください。
合わせて、融資の使い道を確認するための授業料納付通知書や、学費や諸経費が記載された学校案内のパンフレットなどを用意してください。
国の教育ローンは今後1年間に必要な額が融資額の目安になります。したがって、だいたいの学費がわかる書類があればOKです。
- 年収制限の特定条件(上限額緩和)の場合
申し込み条件の世帯の年収上限で、次の特定条件で上限額の緩和対象になる場合は、それぞれの状態が証明できる書類が必要です。
・「世帯のいずれかの方が自宅外通学(予定)者」
・「借入申込人またはその配偶者が単身赴任」
・「ご親族などに要介護(要支援)認定を受けている方がおり、その介護に関する費用を負担」
・「大規模な災害により被災された方」
例えば自宅外通学者では、大学等の合格通知や学生証に加え、賃借予定の物件明細や不動産賃貸借契約書、住民票などが必要です。詳細はコールセンターか公庫の支店で確認してください。
国の教育ローン利用には、保証人を用意するか、機関保証を利用する必要があります。▼国の教育ローンの保証機関については、こちらで詳しく解説しています。
国の教育ローン、実体験から分かった賢い申し込み方法
最後に、国の教育ローンの具体的な申し込み方法をお伝えしましょう。これは実際に筆者が国の教育ローンを申し込む際に、直接担当者から教えてもらった情報が入っています。実体験をもとにお伝えします。
いつ申し込むべき?
国の教育ローンは募集期間の設定はなく、一年365日、いつでも申し込めます。
最近は大学や専門学校では入試方法が多様化しており、早い所では夏ごろから翌年度入学のための受験が開始します。どの時期の受験開始でも、費用の借入が必要になった場合は、国の教育ローンの申し込みが可能です。
どうやって申し込む?
申込みは店舗(支店)に行かなくてもオンラインで24時間受付していますし、端末はパソコンだけでなく、モバイル(スマホ・タブレット)でもOKです(サイト登録やログインなどは不要です)。
融資までどのくらいかかる?
申込みから融資まで、スムーズに進む場合でも最低2週間程度は見てください。公庫の案内では20日となっています。
また、当然ながら秋以降の受験シーズンは申し込み者が激増します。融資まで1カ月かかる場合もあるようで、入学金に使いたい場合は、早めに余裕をもって申し込みましょう。
おすすめなのは、受験前に申込み手続きをして、審査まで進めておく方法です。審査通過した時点で融資保留にして待機。融資の日にちは後日指定できますので、合格が出た時点で手続きしてください。
なお、申し込み後に他でお金が用意できた場合は、解約(キャンセル)も可能です。
一度に申し込める金額は?
利用上限は学生一人当たり350万円ですが、だからと言って、いきなり満額申し込むのはおすすめできません。
- 申込金額の目安は?
筆者が国の教育ローン担当者に直接確認したところ、一度に申し込める金額は、今後1年間に必要と考えられる学費や諸経費の合計額が基準になるそうです。大学が公表している年間の学費などを参考にして審査するとのこと。
申込時に入学予定(受験する予定)の大学名や学校名などを記入しますが、実際に審査担当者が、1年間にかかる学費などを調査するそうです(知らなかった!!)
必要な金額とあまりにもかけ離れた金額を申しこんだ場合は、申し込んだ額が減額されたり、審査落ちになったりする場合もあるようです。
ただ国の教育ローンは、単純に学校に納付するお金だけでなく、受験そのものにかかる交通費やホテルなどの宿泊費、下宿が必要になった時の引っ越し費用等にも使えます。したがって、必ずしも年間の学費より多い額は申し込めない、という訳ではありません。
要は今から1年間に必要な教育費として、説明できる金額かどうか、ということです。万一使い道について聞かれた場合に、説明可能な範囲内であれば、さほど厳密にならなくても大丈夫です。
- 申込金額を決める際の注意点は?
しかし、ここでひとつ覚えておいてください!
国の教育ローンはカードローンと違い、審査に通った限度額内で自由に繰り返し出し入れできるタイプのローンではありません。したがって、申し込みの度に1件1件書類を出し、審査を受ける必要があります。
一度申し込み、審査に通った後、もう少し追加融資したいと思っても、また1から書類を用意して、審査を受けなくてはいけない、ということです。つまり、追加融資は初回申込みとまったく同じ手間がかかるのです(送金手数料も……)。
筆者が国の教育ローンを申し込んだ時も、申し込み後色々計算していると、「あと20万円足しておきたい」となりました(大学への納入金にばかり気を取られるのですが、細々とした入学準備のお金が意外とかかるのです)。
すぐに公庫事務所に相談すると、その時点でまだ審査結果が出ていなかったので、金額の訂正だけで大丈夫でした。
その際、ローン担当者に言われたのは、
「ホントによかったですね~、審査前で!!審査後だったら、10万円だけ、とかほんの少しの追加融資でも、また同じだけ書類を出していただかないといけないのですよ!」
「国の教育ローンは、必要な額にちょっと足して申し込むのがコツですよ!あとから減額・キャンセルもできるし、融資後にいろいろ支払いして余ったら一括返済・増額返済すれば利息も節約できますから。」
…とのこと。
つまり、融資額は向こう1年間の学費からものすごくかけ離れない程度に、若干上乗せして申込書に書くのがコツ!と教えてもらいました。
これが国の教育ローンの、一度に申し込める、というよりも「申し込むべき」金額です。
【まとめ】国の教育ローンの正しい申し込み方法
ずばり、賢い「国の教育ローン」の申込み方法は、この2点。
★ 受験前に、早めにゆとりをもって申し込み、審査だけ通しておく!
融資実行は審査後保留にしておき、合格決定後に依頼すればOK。審査まで通ったけど自己資金の利用などで借り入れの必要が無くなった場合は、もちろんキャンセル可能です。
★ 今後1年間に必要な学費に、不自然でない程度に上乗せした金額で申し込む!
一度審査が終了すれば、追加融資はまた0からの申し込み。少額の追加でも再度書類提出・審査が必要です。少し多めに申し込んでおき、融資実行の時点で減額も可能。融資実行後にもしも借入金が余れば、その時点で繰り上げ返済しましょう。
【情報】万が一、国の教育ローン審査に落ちてしまったら…どうしたらいい?
審査に通りやすく使いやすい国の教育ローンといえども、審査はきっちり行われています。個人信用情報機関の照会もあり、信用情報に任意整理など不利な情報があった場合は、審査落ちしてしまう可能性もゼロとは言えません。
そのような場合は、次のような方法もあります。参考にしてください。
特別増額貸与奨学金を利用
日本学生支援機構の奨学金申込時に、特別増額貸与奨学金を一緒に申し込んでおきましょう。国の教育ローンが使えなかった場合、別枠でまとまった額の奨学金が利用できます。ただし貸与時期は、入学後の5月~6月になります。
進学先の提携教育ローンを探す
進学予定の学校が、独自に提携ローンをあっせんしている場合があります。学生課などに問い合わせてください。また学校によっては関連団体の奨学金が使えます。
銀行やJA、ろうきんなどの教育ローンを探す
銀行や信用金庫、JA(農業協同組合、いわゆる農協)、ろうきん(労働金庫)などでも教育ローンを扱っています。受験シーズンにはたいていキャンペーン金利になっていますね!
借りやすく低金利な銀行カードローンを利用
国の教育ローンを審査落ちした場合や、予想外の追加融資が必要になった場合は、借りやすい低金利の銀行カードローンをつなぎに使うのも一案です。
特別増額貸与奨学金を利用するという場合でも、入学後の振込日までタイムラグが発生します。そのような場合も、銀行カードローンをつなぎ資金に活用できます。
銀行教育ローンは、利用時に学費など教育費として使う証明が必要ですが、銀行カードローンは資金使途が自由!もちろん教育費としても利用可能で、入学に関わる様々な出費に使えます。
なお、2018年1月より銀行カードローンの審査方法が変更になり、即日融資ができなくなっています。ご注意ください。
返済の目途が立つなら消費者金融の無利息サービスを使うのも一案
「教育費の調達に、消費者金融だけは使いたくない」という人は少なくありません。ただし、消費者金融にしかできないことが2つあります。
ひとつは、「即日融資」。銀行カードローンが即日融資不可になったため、とにかく急ぐ場合、申し込んでその日のうちに融資の可能性があるのは、消費者金融だけです。
もうひとつは、多くの消費者金融が行っている「無利息サービス」。これは、初めて利用する人に限り、借入から一定期間(もしくは契約翌日から一定期間。会社によって異なります)は、借入金に利息がかからない、というサービス。つまり、無利息期間内なら、20万円借りたら、利子はなしで20万円だけ返せばよい、ということです。
消費者金融は確かに高金利なので、だらだらと長期間借りることは避けたいもの。しかし「来月学資保険が入る」「次のボーナスで全額返済できる」など、返済のめどが立っている場合は、無利息サービスを使えば超オトクです。完済後「もう利用予定はない」場合は、きっちり契約解除手続きするのも一案です。
情報:教育費でやりくりが大変な時に使えるカードローン
▼安心の大手:プロミス
※お申込み時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。
▼キャッシングといえば:アイフル
▼銀行カードローンの安心感!楽天銀行スーパーローン
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以上、「国の教育ローンの審査に通るには?必要書類と賢い申し込み方法《体験談》2024年版:日本政策金融公庫」という内容でした
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参考リンク:
国の教育ローン、簡単に借りられると思っていたのに、まさか審査落ちするとは…そんな方はぜひこちらをお読みください。
国の教育ローンや奨学金について、いろいろな基本情報や、筆者が教育費調達のために集めた情報などを、惜しげもなく(笑)書いています。