高校生になるお子さんをお持ちのご家庭では、高等学校等就学支援金の申請準備について、正しく知っておくことが大切です。
高等学校等就学支援金とは、高校生のいる家庭の経済的負担を軽減するために設置された国の制度。制度改正によって、2020年4月から支援がより手厚くなっています。
注目すべきは、支給上限額が引き上げられ、私立高校の授業料も年収によっては実質無償化になること!
就学支援金の申請は、新1年生は入学時の4月などに、在校生は収入状況の届け出をする7月頃に学校から案内があります。申請は各高校を通じて、都道府県の教育委員会宛てに行いますが、都道府県や学校によっては、マイナンバーを提出することによって、2回目以降の申請が簡単になります。
今日は高校の学費無償化について解説します。
- 【基本】高等学校就学支援金とは?
- 高等学校等就学支援金の年収制限について
- 高等学校等就学支援金の支給額
- 高等学校等就学支援金の申請について
- 申請書の書き方は?
- 就学支援金の支給日について
- 高等学校等就学支援金、2年目以降の申請方法
- 大阪府の独自制度について
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【基本】高等学校就学支援金とは?
高等学校等就学支援金とは、2010年度から実施されている、高校の授業料の補助制度。以前は「高校授業料無償化」と呼ばれ、年収制限などはなく、希望すれば全員が利用できていました。
2014年度(平成26年度)から制度の利用に年収制限が設けられ、現在は「高等学校等就学支援金制度」という新制度に変更になっています。
就学支援金は、以下の学校に入学・在籍している人が対象となります。
・高等学校(全日制、定時制、通信制) ※専攻科・別科を除く
・中等教育学校の後期課程 ※専攻科・別科を除く
・特別支援学校の高等部
・高等専門学校(第一学年から第三学年まで)
・専修学校の高等課程
・専修学校の一般課程(高等学校入学資格者を入所資格とする国家資格者の養成施設)
・各種学校(高等学校入学資格者を入所資格とする国家資格者の養成施設及び告示で指定した外国人学校)
高等学校等就学支援金の年収制限について
年収制限と言われると「じゃあ、年収いくらまでだったら支給されるんですか?」と聞きたくなりますね。
実は、就学支援金の支給の可否は年収額そのものではなく、所得に応じて課税される市町村民税などで計算されます。同じ収入でも家族構成などで違ってきますので、注意が必要です。
判定のための計算方法は、「令和2年4月分~6月分」と「令和2年7月分以降」で異なります。毎年6月頃に新年度の市町村民税・都道府県民税の課税額が決定するので、4月分~6月分は新1年生にも前年度(令和元年度)の判定基準がそのまま使われます。そして、7月分以降の判定の計算式が、今回の制度の改正で新しく変わることになりました。
確認はこの書類で!
どちらの計算にしても、今まで対象外だった人も対象になる可能性があるので、申請の際には学校から配布されている書類をしっかり確認して手続きをしましょう。
判定に必要な課税額を確認するには、以下の書類を用意します。
・市町村民税の税額通知書 ⇒ サラリーマンの人は毎年5月~6月に勤務先で配布
・市町村民税の税額決定通知書・納税通知書 ⇒ 自営業などの人は毎年6月に発行
・市町村の窓口で発行される課税証明書 ⇒ 上記の書類を紛失しているか、受け取っていない場合は、各役所で発行
支援金を受ける参考の数字として、サラリーマン家庭では「年収910万円が目安」と言われています。また、子供が私立高校生(全日制)の場合、支給上限額まで支援を受けられるのは、「年収590万円が目安」とされています。支給上限額まで支援されるか否か、大きな分岐点となるので、年収が境目付近の人は、特にしっかり確認してください。
判定は、保護者(親権者)それぞれの額の合算で決まります。例えば同居している祖父母に収入があったとしても、親権者ではないため、祖父母分は含めなくて構いません。
令和2年4月分~6月分の判定基準
判定には、令和元年度の課税証明書等で確認します。まず、書類に書かれている「市町村民税所得割額」と「都道府県民税所得割額」の金額を合算します。支援が受けられるかどうかは、この2種類の所得割額の合算額を両親2人分合計した額によって判定されます。
所得割額の合算額が507,000円未満(年収910万円未満に相当)の場合、高等学校等就学支援金が支給されます。
また、所得割額の合算額が257,500円未満(年収590万円未満に相当)で子が私立高校生の場合、支給額が上がります。
令和2年7月分以降の判定基準
新しい計算式を使います。計算方法はちょっと分かりにくいかもしれません。これも両親2人分の合計額で判定されます。
「市町村民税の課税標準額×6% ー 市町村民税の調整控除の額」
(政令指定都市の場合は、「調整控除の額」×3/4)
上記による算出額が304,200円未満の場合、高等学校等就学支援金が支給されます。
また、算出額が154,500円未満で子が私立高校生の場合、支給額が上がります。
専業主婦も課税が0円の課税証明書が必要?
なお支援金が受給できるかどうかを決める市町村民税所得割額は、保護者(親権者)の合算で判断します。つまり夫婦の市町村民税所得割額の合算で判断します。例えば同居している祖父母に収入があったとしても、親権者でないため、祖父母分は含めなくてOKです。
妻が専業主婦で課税されていない場合、本来ならば課税が0円、という証明が必要です。しかし、控除対象配偶者(いわゆる扶養範囲の場合)で、かつ給与収入が100万円以下の場合、提出する書類(会社から配布される市町村民税徴収税額決定通知書など)に控除対処配偶者ありの記載があれば、課税証明書を提出しなくても大丈夫!
「控配」などと略して書かれている当該箇所にチェック(印)が入っていればOKです。
高等学校等就学支援金の支給額
では、新しい制度では、支給額はいくらになるのでしょうか。
公立高校の場合
所得制限に合致すれば、基本支給額は年額11万8800円で、今までと同じです。この支援金は学校が直接受け取り、授業料として相殺されます。支給額と公立高校の授業料は同額なので、在学中に収めるお金は、授業料以外の諸経費となります。
私立高校の場合
私立高校の場合でも、年収がおおむね910万円までのご家庭で所得制限に合致すれば、標準額の年額11万8800円が支給されます。そして、年収がおおむね590万円未満で、支給額が上がると判定された場合、なんと、支給額は最大で39万6000円にもなります。
この39万6000円という数字は、私立高校の授業料の平均が約40万円というところから設定されたようです。上限まで支援を受けられたら、私立高等学校授業料も実質無償化になる制度です。ただし、授業料が支援額よりも高い場合は、差額を収めることになります。
今までは私立高校の場合の加算は、所得によって3段階で決められていましたが、新しい制度では年収が約590万円までなら、一律に上限まで支給されます。
支援の対象になる家族構成別の年収目安が公表されていますので、参考にしてください。
定時制・通信制高校の場合
定時制・通信制高校(通信制課程)などでは支給額が異なりますので、各学校に確認してください。一例を挙げれば、単位制高校では1単位あたりの支給額が決まっており、その年に履修する単位数分の支給を受ける、というシステムになっています(詳細は進学先に必ず確認しましょう)。また上限単位数が決まっており(おおむね高校卒業単位数)上限を超えて履修した場合は支援の対象外となります。
高等学校等就学支援金の申請について
平成31年4月からマイナンバーに対応したシステムが導入されていて、継続の手続きが簡略化されるようになりました。
新1年生の場合
原則として、入学する4月に下記の書類の提出が求められます。提出する書類には二種類の組み合わせがあり、どちらかを選ぶようになっています。
①マイナンバーを利用して所得要件を確認する場合
・受給資格認定申請書(学校を通して配布されます)
・マイナンバーカードの写し等(マイナンバー通知カードの写し、マイナンバーが記載されている住民票等)
②課税証明書等で所得要件を確認する場合
・受給資格認定申請書(学校を通して配布されます)
・市町村民税税額決定通知、納税通知書、課税証明書等
①と②では今後の手続きに大きな違いが出てきます。
以前は毎年度申請をする必要がありましたが、①のマイナンバーを利用する場合だと、自動的に最新の状況で判断されるため一度の手続きで済み、毎年の手続きは不要になります。
②の課税証明書等を利用する場合は、今までと同じように、毎年7月頃に、
・収入状況届出書(学校を通して配布)
・市町村民税税額決定通知、納税通知書、課税証明書等
を提出する必要があります。
ただし、所得基準の判断や具体的な期限などは、各学校や都道府県によって異なるようなので、書類をよく確認しましょう。
2年目以降の場合
令和2年度よりも前に入学した在校生も対象です。在校生には、収入状況の届け出をおこなう7月頃に学校から案内が届きます。新1年生と同じように、マイナンバーを利用することで、今後の手続きが簡略化されます。
既にマイナンバーによって手続きをし、受給されている場合は、マイナンバーカードの写し等の再提出は基本的に不要です。
ただし、高等学校等を卒業または修了した人、高等学校に在学した期間が通算36月を越えた人(定時制・通信制等の場合は別途算定)、科目履修生・聴講生等は対象にはなりません。
申請書の書き方は?
申請書の書き方自体は、さほど難しくありません。申請書と一緒に記入例のプリントが配布されていると思いますので、それをよく見て記入していってください。
【注意】下に画像を載せていますが、こちらは平成時代のかなり古い参考資料となります。基本的な考え方のみ参考程度にご覧ください。
今年新入学した高校生の場合は、申請書表面の冒頭はここにチェックを入れます。
その下に、生徒の名前や学校名などを記入する欄がありますので、内容通りに書いてください。
裏面は、課税対象の状況毎にチェックする箇所が変わります。
まず、父母ともに課税していて、合計の所得割額を提出して申請する場合は、この部分にチェックを入れて、二人分の課税を証明する書類を添付します。
次に、父母のどちらかが主に生計を担っていて、もうひとりは配偶者控除に入っている場合は、次の部分にチェックを入れます。
課税を証明する書類は、基本的には二人分必要ですが、会社から配布された書類で配偶者控除の記載があれば、その書類1枚でOKです。
最後に、ひとり親家庭の場合は、次の部分にチェックを入れて、課税を証明する書類を添付します。
どの場合でも、2枚目裏のこの部分に必ずチェックを入れましょう。これで申請書は完成です。
高等学校等就学支援金については、文部科学省のO&Aが分かりやすくなっています。いろいろなケースも紹介されていますので、参考にしてください。
就学支援金の支給日について
「高等学校等就学支援金⇒支援金というからには、お金が支給されるのよね?」
このように思い込んでいる人が少なからずいますが、高等学校等就学支援金は授業料と相殺されますので、現金が保護者の手元に届くことはありません。
▼高等学校等就学支援金の支給についてはこちらで詳しく解説しています
現金で支給されるつもりで、入学時の諸々の出費に充てようと思っていた場合は、かなりやりくりに困る状況になるかもしれません。
教育費調達の手段には、奨学金(高等学校の奨学金は各都道府県に問い合わせてください)や各種教育ローンなどがありますが、申込みから融資を受けるまでに日数がかかるものが少なくありません。
すぐ用意できる「つなぎ融資の手段」として、あらかじめメインバンクなどで銀行カードローンを用意しておくのも一案です。
また、どうしても今日中につなぎ資金が必要、など、切羽詰まっている場合は、即日融資できるカードローン(消費者金融)を検討しましょう。消費者金融は金利が高いですが、初めての利用者が使える無利息サービスが使えます。
同時に速やかに返済できる手立てを考えるほか、金利が低めの他のローンで借り換えるなど、工夫してみましょう。
高等学校等就学支援金、2年目以降の申請方法
高等学校等就学支援金を7月に申請する場合の要点についてはこちらでまとめています。ご一読ください。
大阪府の独自制度について
大阪府では、独自制度として、より充実した私立高校へ通う子供への就学支援金制度を持っています(大阪府私立高等学校等授業料支援補助金)。詳細をまとめてみましたので、大阪府の方はご一読ください。
なお、他の都道府県・市町村でも、同様の支援制度を持っている場合があります。たいてい学校を通じて案内されますが、申込期間が限られているものが多いので、お子さんが持ち帰る配布物などにご注意ください。
以上、「高等学校等就学支援金制度について、所得制限はある?申請書の書き方は?専業主婦の場合は?」という内容でした。
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参考リンク:
高校に進学すると、支援金が支給されても、教材費や諸費など義務教育時代とは違ったお金が必要になります。国の教育ローンについて情報が欲しい方はこちらで解説しています。
入試前に準備が必要な費用について解説しています。受験料、1校あたりいくらかかるか知っていますか?
受験費用の準備のためにも、受験スケジュールは押さえておきたいところですね!