進学を来年に控えた高校3年生は、奨学金の予約採用が5~6月頃に迫っていることから、利用するかどうかを本格的に検討しているご家庭も多いことでしょう。この頃は奨学金の延滞が社会問題になっていることから、学生本人の負債になる奨学金を利用してもよいかどうか、真剣に悩んでいる保護者の方もいらっしゃることと思います。
本日は奨学金の延滞を将来起こさないために、高校3年生のお子さんを持つ家庭で、今できることをJASSO(日本学生支援機構)の調査結果から読み取ります。
- 奨学金利用を考える前にぜひ参考に!返還者の属性調査
- 延滞者と無延滞者には明らかな意識の差が見て取れます
- 返還義務を知った時期に関しては驚きの結果も……
- 奨学金の返還期限猶予制度や減額返還制度の認知度も延滞者では知らない人が多い
- 奨学金を利用する前にしっかり本人に制度を理解させることが、借り過ぎ・延滞を防ぐひとつのカギになります
- まずは申請書を本人が書くところから始めましょう
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奨学金利用を考える前にぜひ参考に!返還者の属性調査
今回取り上げるのは、日本学生支援機構が発表している、こちらの最新の調査結果です。
平成27年度奨学金の返還者に関する属性調査結果 - JASSO
これは、卒業して返還が開始した人のうち、平成27年11月末において、返還を3か月以上延滞している人(以下、延滞者と呼びます)と、延滞していない人(以下、無延滞者と呼びます)を無作為に抽出して調査したものです。
延滞者と無延滞者には明らかな意識の差が見て取れます
筆者がまず興味を惹かれたのは、奨学金を申請する際に、誰が書類作成をおこなったか、という項目です。
無延滞者は「申請書類は本人が作成した」のが56.1%、「本人と親が一緒に作成した」が22.5%で、本人が申請書類の作成に関わったケースが無延滞者全体の78.6%となっています。実に8割近い生徒が、奨学金の申し込み時点で自ら関わっていたことが分かります。
一方、延滞者のグループでは「申請書類は本人が作成した」のが31.9%、「本人と親が一緒に作成した」が20.0%となっており、合計しても51.9%と約半数です。特に本人が作成したケースの割合は、無延滞者の6割にも満たず、申請時に学生本人が主体的にかかわっていなかったケースが多いと推測されます。
返還義務を知った時期に関しては驚きの結果も……
奨学金は給付ではなく、返す必要のある貸与だ、ということは、広く周知されていると思っていましたが、今回の調査では驚きの結果となっています。
無延滞者が「奨学金は返還しなくてはいけない」と知った時期は、「申込み手続きを行う前」が88.6%、「申込み手続き中」が5.8%となっており、94.4%が実際に貸与が始まるまでに返還義務があることを認知していました。
しかし延滞者では、「申込み手続きを行う前」が51.2%、「申込み手続き中」が12.7%で合計63.9%に止まっていました。問題なのは、返還義務があると知ったのが貸与終了後という人が20.4%にのぼり、そのうちの約半数の10.9%が「延滞督促を受けてから知った」となっていました。
これにより、延滞者の中には、そもそも奨学金の仕組み自体を十分理解できないまま利用してしまった層がいると、考えられます。
奨学金の返還期限猶予制度や減額返還制度の認知度も延滞者では知らない人が多い
奨学金は返還義務がありますが、家計が苦しかったり、災害や本人の病気などで返還が難しい場合は、返還期限を延長してくれたり、一時的に毎月の返還額を抑えてくれるなどの救済措置があります。しかし、それらに関しても延滞者は、無延滞者より認知度が低い結果が見て取れました。
奨学金を利用する前にしっかり本人に制度を理解させることが、借り過ぎ・延滞を防ぐひとつのカギになります
こういった調査結果をみると、実際に申請・貸与開始する前に、どの程度奨学金制度のことを理解し、自分が借りると自覚しているかが、将来の返還の延滞防止につながると考えられます。
また、奨学金の毎月の貸与額を考える際にも、卒業後に返還が必要としっかり意識しておけば、過剰な貸与も防止できます。奨学金は貸与中に増額可能なので、「足りないから増やそう」と考える人も多いでしょうが、奨学金貸与中は毎年学生本人の収支報告を行う義務があるので、その際に本当に増額が必要かしっかり考えることも必要ですね。
まずは申請書を本人が書くところから始めましょう
今年予約採用を申し込みされるご家庭では、学生本人が奨学金制度をしっかり理解するため、奨学金の申請書類をしっかり本人が書くところから始めてはいかがでしょうか。書類を書くとなれば、どのような内容でどれだけの借金になるか、申請前にパンフレットや資料を熟読するきっかけにもなると思います。
なかなか資料を見てくれなくて……という場合は、こちらはいかがでしょう。日本学生支援機構では奨学金のモバイルサイトもあります。スマホでサクッとチェックできますよ!
ホームページほど詳しくないですが、概要を理解するには充分な内容です。
以上、「奨学金の延滞防止は、まず申請書類を学生本人が書くことから始めましょう。JASSOの返還者属性調査から見えてくること」という内容でした。
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参考リンク:
奨学金について、キーワードをQ&A方式で解説しています。