来年度の進学に向けて、在籍する高校などで日本学生支援機構の予約採用が、本格的に始まっています。
予約採用の手続きは6月中に締め切られますので、安心して進学できるよう、貸与を考えている場合は予約採用で申し込みしておきましょう。
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予約採用とは？基本中の基本
日本学生支援機構（JASSO)の予約採用とは、来年の春に進学を考えている生徒（主に高校3年生）が、来年度の奨学金貸与を早めに申し込んで、文字通り「貸与を予約しておく」申し込み方法です。
なお、卒業してから2年以内の人（浪人生など）は、卒業した高校を通じて、予約採用に申し込むことができます。また、「高等学校卒業程度認定試験（旧・大学入学資格検定）」に合格した人や、JASSOの定める基準に該当する科目合格者または出願者の場合は、直接日本学生支援機構に申込みをしてください。
申し込みの時に決めておかないといけないポイント
現在高校3年生の、JASSO奨学金の予約採用は、在籍している高校を通じて行います。実は奨学金、申し込みに際して、決めないといけないことがたくさんありすぎます！第一種（無利息）か第二種（利息あり）程度を決めて申し込めばよい、と思っていたら、申込書を前に考え込むことになってしまいます。
奨学金の申し込み時に決定しなくてはいけない事項は、以下の4点です。
奨学金の申し込みパターンと、希望金額
まず、申し込む奨学金の種類を7種類から選択します（煩雑になるので、ここでは給付型奨学金については除いています）。奨学金の種類が7種類！？第一種と第二種だけじゃないの？とビックリしてしまいますよね。
奨学金の申し込みは、第一種と第二種の組み合わせを設定して申し込むことができます。例えば、「第一種のみ希望する」とか「第一種と第二種の併用を希望する」という感じで7パターン決められています。どのパターンを希望しても審査で有利・不利になることはありませんので、余裕を見て申し込んでおきましょう。
第一種を希望する人の中には「絶対無利子の第一種でないと…」とかたくなに考える人もいますが、第二種の利率も、平成29年度3月卒業の人で0.33%（固定）か0.01％（変動）です。もちろん金利の変動はありますが、一般の教育ローンとは比較にもならないほどの低金利です。
また、基本的に第一種を申し込むには、学力基準があります（高校の平均評定が3.5以上）※。
※ただし2017年度から住民税非課税の世帯は学力基準は免除となっています。
第一種は希望者も多く狭き門なので、どうしても奨学金が必要、という場合は、第一種にこだわらずサブ的に第二種を一緒に申し込んでおくのをおすすめします。
入学時特別増額貸与奨学金を希望するかどうか
「入学時特別増額貸与奨学金」とは、毎月貸与される奨学金と別枠で、入学後に一定金額（10万円～50万円の範囲で10万円単位）を一括で貸与してくれる増額貸与奨学金です。基本的に、国の教育ローン（日本政策金融公庫の教育一般貸付）に申し込んで、審査落ちした人（つまり、国のローンが使えなかった人）が対象になっており、利用には国の教育ローン利用不可の通知書が必要です。
ただし、「入学時特別増額貸与奨学金」の主旨が、低所得等の理由で国の教育ローンを使えなかった場合、となっていますので、国の教育ローンが年収オーバーが理由で利用できなかった人は、入学時特別増額貸与奨学金が利用できない場合もあります。
なお返還については、在学中は届け出により返還猶予があります。
保証制度は人的保証か機関保証かのどっちを使う？
奨学金を利用するには、連帯保証人と保証人の両方を依頼しなくてはいけません。連帯保証人は貸与者（学生本人）の主に父母、保証人は父母以外の親族などに依頼することになり、保証人自体の収入証明書の提出など、審査が必要です。このような人的保証が立てにくい、依頼しにくい、という場合は、機関保証を利用します。
機関保証を利用する場合は、保証人は依頼しなくて大丈夫。ただし、毎月の貸与額から、一定の保証料が差し引かれます。
奨学金の貸与利率は固定にする？変動にする？
奨学金は貸与中（在学中）は無利息です。貸与が終了した時点の利率が適応になり、利息がかかるようになります。
利率の算定方式には
・利率固定方式（いわゆる固定金利）
・利率見直し方式（いわゆる変動金利）
の2つがあり、どちらかを貸与開始時に選択しておきます。利率算定方式は、貸与時に選択した方式を、貸与終了時に変更することはできませんので、ご注意ください。
なお、第一種奨学金を申し込む場合、返済方法が「定額返還方式」か「所得連動返還方式」から選択できます。詳しくはこちらで解説しています。ご一読ください。
入学後の「進学届」で変更できる項目もあります
たくさんの選択事項がありますが、大学などに入学後手続きする「進学届」で変更できる項目もあります。
・貸与月額
・増額貸与の貸与額
・増額貸与の辞退
・奨学金の振込口座
・選択する保証制度
・利率の算定方式
しかし、第一種でのみで採用になっていた人が、第二種も使いたい、となった場合は、変更手続きでは対応できません。再度採用申し込みが必要になります。併用で採用になっていた時に、第二種を辞退する、ということは可能です。
とくに貸与月額は、貸与開始後も増額・減額できますが、入学1年目は生活費や諸経費で予期しなかった出費が発生することもあります。借り過ぎはいけませんが、あらかじめ若干余裕を持った申請をしておくと安心です。
予約採用を申し込んだあとは、どのような手続きが必要？
在籍する高校に「申込書類一式」と「スカラネット入力下書き用紙」を提出して予約採用の申し込みを行うと、そのあとの流れは以下のようになります。
スカラネットを利用して申込入力を行う
学校が書類などを確認したら、「スカラネット入力下書き用紙」が返却されます。同時にスカラネットにアクセスするための「識別番号（ユーザID・パスワード）」がもらえます。
インターネットで「奨学金申込専用ホームページ（URL）」にアクセスし、もらった識別番号で入って、申し込み内容の入力を、下書きに沿って行います。自宅にパソコンがあれば、もちろん自宅で申し込みしてOKです。自宅にパソコンがない場合は学校のパソコンが利用できないか、相談してみましょう。
★スカラネットの使い方が良くわからない、という場合は、こちらで詳しく解説しています。合わせてお読みください。
▼スカラネットまるわかり【完全ガイド】奨学生が戸惑うスカラネットの登録方法や入力について解説
スカラネットの申し込み番号を高校に再提出
入力が完了すると、最後に受付番号が表示されます。その番号を「スカラネット入力下書き用紙」に記入して、再度高校に提出してください。これで予約採用の申し込みは完了です。
「採用候補者決定通知」の交付
奨学金に採用された場合、10月下旬ごろ、日本学生支援機構から奨学生の「採用候補者決定通知」が交付されます。つまり、採用になった場合でも、貸与の可否が10月末頃にならないと分からない、ということ。
春の募集で落ちてしまった場合は、再度秋の予約採用の募集（10月～11月頃）に再募集するか、入学後の「在学採用」に応募してください。ただし世帯収入の多さが原因になっている場合は、再チャレンジしても採用が難しい場合が少なくありません。予定していたお金が使えなくなると本当に困ってしまいます。大学や学部ごとに、他の育英団体の奨学金を扱っている場合もあります。他の教育費調達方法も合わせて検討するようにしましょう。
kyouikuloans.hatenablog.comなお、こちらの記事は主に大学進学の場合を想定してまとめています。奨学金制度は複雑なので、大学院へ進学の人、海外留学のための奨学金を希望している人、留学生対象の奨学金を探している人などは、必ず日本学生支援機構のホームページでご確認ください。
以上「日本学生支援機構の奨学金申し込み時に決めておくべき４つのポイントと申し込みの流れ」という内容でした。
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