多くの学生が利用する日本学生支援機構の奨学金は、貸与開始が入学後(4月~7月)となっており、入学前に支払う入学金などに利用できないのがデメリットとして知られています。
これは毎月の貸与分だけでなく、「入学時特別増額貸与奨学金」という特別増額分についても例外ではなく、貸与は5月頃になってしまうとのこと。あたかも入学の際に必要な支払いに使えそうな名称になっているのに、入学金を支払う時期と奨学金の貸与時期にタイムラグがあることが、利用者を困惑させる原因になっています。
本日は入学時特別増額貸与奨学金が実際に貸与されるまでのあいだ、つなぎ融資として機構が案内している、ろうきんの「入学時必要資金融資」について解説します。
【一般的な教育費のつなぎ融資について】
学資保険や定期預金の満期日前に入学金が必要になったり、学費の準備はしておいたけど都合で受験が早くなったりして、受験期にお金がうまく回らなくなること、よくあります。
そんな時、まずは日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)が第一選択肢。
固定金利で2.40%(2024年5月現在)という低金利です。
特に、国の教育ローン以外の選択肢を早く知りたい!という切羽詰まった人は、こちらの情報が参考になります。ぜひお読みください。
⇒【情報】万が一、国の教育ローン審査に落ちてしまったら…どうしたらいい? 国の教育ローンを賢く申し込む方法《体験談》2023年版:日本政策金融公庫の審査に通るには?
▼入学時特別増額貸与奨学金の解説についてはこちらも合わせてご覧ください。
- そもそも「ろうきん」って知っていますか?
- 奨学金と国の教育ローンやろうきんの融資との関係は?
- 奨学金とろうきんを組み合わせる際の流れ
- ろうきん「入学時必要資金融資(つなぎ融資)」の注意点
- ろうきんには一般の教育ローンや教育カードローンもあります!
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そもそも「ろうきん」って知っていますか?
奨学金の書類を眺めていると、「ろうきん」という文字が記憶に残っている人もいるのではないでしょうか?
ろうきんとは「労働金庫」という金融機関です。労働金庫法という法律に基づいて業務を行っている「協同組織金融機関」とのこと。労働組合や生活協同組合の組合員が出資して運営している営利を目的としない協同組織という点が、一般の銀行とは異なる点です。
日本学生支援機構の奨学金とろうきんには、奨学金と連動した教育ローン「入学時必要資金融資」が用意されています。奨学金と連動している教育ローンと言えば「日本政策金融公庫の国の教育ローン」が知られていますが、同じようにろうきんも使うことが可能です。
奨学金と国の教育ローンやろうきんの融資との関係は?
「奨学金と連動している」とはどういうことでしょう?簡単に解説すれば、以下のような仕組みになっています。
国の教育ローン・ろうきんと奨学金はこのように連動しています!
【国の教育ローン】
特別増額貸与奨学金を利用したい場合、まずは国の教育ローンへの申し込みが必要です。そして国の教育ローンの審査に通過しなかった場合のみ、増額奨学金を借りられる、という流れになっています。つまり入学時特別増額貸与奨学金は、国の教育ローンが使えない家庭の救済策になっている制度と言えます。
したがって国の教育ローン審査に通った人は、国の教育ローンが使えるので、増額奨学金は辞退しなくてはいけません。またろうきんの入学時必要資金融資も利用できません。
【ろうきん:入学時必要資金融資】
世帯年収がおおむね400万円以下の場合は、国の教育ローンを申し込まなくても入学時特別増額貸与奨学金を利用することができます。また、国の教育ローンに落ちた人も入学時特別増額貸与奨学金を利用できます。
ただし上記の場合でも、入学して手続きが完了する5月~6月頃まで奨学金の貸与はありませんから、入学金などの納付金を納めるのに苦労する場合があります。そのような場合のつなぎ融資として、ろうきんの入学時必要資金融資が利用できる、という訳です。
特別増額貸与奨学金のデメリットを、国の教育ローンやろうきんでカバー
この融資は奨学金と連動しているため、奨学生自身が融資を受ける形になっています。また、融資期限は増額貸与が振り込まれるまでとなっているので、貸与が振り込まれたら速やかに利息分と一緒に返済します。利率は国の教育ローンと連動しているので銀行の教育ローンなどよりは低金利で融資が可能です。
特別増額奨学金は入学前に収める資金に利用できません。したがって貸与までのタイムラグを埋めるために、国の教育ローンやろうきんの融資が利用できるシステムになっている、という訳です。
10月末に贈られてくる「奨学生採用候補者決定通知」のココをチェック!
特別増額貸与奨学金を申し込んだ場合、自分が国の教育ローンを先に申し込むのか、ろうきんがダイレクトに使えるのかは、決定通知に書かれていますので、しっかりチェックしてください。
決定通知書(1枚の書類です)の中ほどに上のような部分があり、「入学時特別増額貸与奨学金」の後に()で一文が付け足されています。ここが(日本政策金融公庫の手続き必要)となっていれば、国の教育ローンを先に申し込んでください。(進学後の手続きにより採用)となっていれば、国の教育ローンを申し込まなくても、ダイレクトにろうきんの融資が利用できます。
奨学金とろうきんを組み合わせる際の流れ
まず、ろうきんのつなぎ融資を利用する大前提は、特別増額貸与奨学金を申し込んでおり、国の教育ローン審査に落ちているか(融資お断りの文書などが必要)、決定通知書でろうきんに申込み可能と分かっている場合になります。
そのうえで、ろうきんのつなぎ融資を希望する場合は、もよりのろうきんに奨学生本人と両親(または親権者)が一緒に窓口に行って手続きを行います。
申し込みはできるだけ3月中までに行います。4月以降は取扱い不可の場合があります。また、進学先で進学届(奨学金の申請手続きのこと)を提出してしまうとろうきんは使えませんので、ご注意ください。なお貸付なので、当然ですが審査があります。申し込めば100%利用できる訳ではないので、知っておいてください。
ろうきん「入学時必要資金融資(つなぎ融資)」の注意点
ろうきんのつなぎ融資を利用する場合、以下の点に注意してください。
日本学生支援機構の奨学金振込口座をろうきん(労働金庫)に指定しなくてはいけない
奨学生名義の口座をろうきんに用意してください。また、進学後に手続きする際も、別の口座に変更しないようご注意下さい。ろうきんのキャッシュカードはろうきん以外でも都銀・地銀やコンビニATMなど提携金融機関で利用可能です。利便性には問題ありません。
融資金はろうきんから進学先に直接振り込みになる
融資されたお金はろうきんの口座に入金されますが、ろうきんが口座の名義人の名前で直接進学先に入金します。申し込みから融資実行~振込までは時間がかかりますので、納付金の締切日には注意し、余裕をもって申し込んでください。
申し込み時点ですでに進学先に納入済みの資金に対しては利用できない
これから収める納付金に使える融資なので、すでに支払った分に対しては利用できません。
その他、詳細はこちらのパンフレットも参考にしてください。
※平成29年度用のパンフレットです。PDFで開きます。
最新のものは、毎年10月末に郵送されてくる「奨学生採用候補者決定通知書」に同封されてきます。
ろうきんには一般の教育ローンや教育カードローンもあります!
本日紹介したのは、ろうきんを日本学生支援機構の奨学金と組み合わせて使う「入学時必要資金融資(つなぎ融資)」についてですが、ろうきんでは一般の(親が借主になる)教育ローンや教育カードローンも取り扱っています。
▼通常のろうきん教育ローンについてはこちらへ!
特に一度審査に通過してカード作成すれば、限度額内で自由に出し入れできるカードローン型の教育ローンは、まだ取り扱いのある銀行も限られているので、注目株の教育ローンと言えます。
ろうきんは居住地によって、利用する店舗が決まっています。自分がどのろうきんに問い合わせすればよいかは、ホームページで確認してくださいね。
ローン金利も店舗ごとに決められているようです。かならず居住地で営業しているろうきんにお問い合わせください。
以上「入学前に《奨学生本人》が借りられるつなぎ融資(教育ローン):ろうきんの入学時必要資金融資についての解説」という内容でした。
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参考リンク: