現在、祖父母から子や孫への学費などを援助するための贈与が一定額まで非課税になる制度があります。当サイトでも昨年(2017年)に取り上げ紹介したこの制度は、今のところ、平成31年3月31日までの時限的な特例制度です。
10月17日に政府税制調査会が開かれ、今後、相続税と贈与税について見直すことになるようです。この教育費一括贈与の非課税制度が来年3月末に適用期限が終了するのに合わせて廃止を求める意見が出る中、文部科学省などは19年度の税制改正要望で制度の継続と拡充を求めているそうで、今後の動きが気になります。
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教育費一括贈与の非課税制度とは、どんな内容?
ここで改めて、制度のあらましについて確認してみましょう。
・贈与税非課税の適用を受けるためには、まず、教育資金専用の口座を開設し、「教育資金非課税申告書」を提出することが必要です。税務署に行く必要はありません。
・祖父母から孫へ、もしくは、父母から子へ、教育資金として一括贈与する場合、1500万円までの金額相当が非課税になります。
・教育資金とは、学校等に直接支払われる授業料・保育料・受験検定料等だけでなく、学用品購入・給食代・修学旅行代等も含まれます。また、塾や習い事の月謝や通学定期代も該当しますが、学校等以外に支払う金銭については500万円が上限です。
・教育資金口座からの払い出しは、口座開設の時に選択した払い出し方法に応じてなされます。教育資金を支払った後で領収書など必要書類を提出する方法や、請求書等を金融機関の窓口に提出して支払いを依頼する方法等があります。
・この制度を受けられるのは、30歳未満の方に限られます。30歳に達するなど、教育資金口座に係わる契約が終了した時点で残額がある場合は、贈与があったとみなされて税務署での贈与税の申告が必要になります。
教育費一括贈与の非課税制度の実際
出典:財務省「資産課税(相続税・贈与税)について」(PDFで開きます)
制度はどのくらい活用されている?
信託協会の公表によると、教育資金一括贈与の非課税制度を利用している実績としては、延べ194,336件、1.37兆円に上るそうです。新規契約数はこの制度が導入された年度が一番多く、徐々に減ってきているようですが(上の表を参照)、平成29年度の1年間の新規契約でも、15,353件、0.14兆円もあります。
相続税と贈与税
この制度は、贈与税を非課税にすることによって高齢世帯が持っている財産を若い世代へ生前贈与し易くするために導入されたのだと考えられますが、もともと生活費を援助したり孫の教育費を肩代わりすることには税金はかかりません。お金の必要な子育て世代にとってありがたい制度であることに間違いはありませんが、実際、恩恵を受けているのは、資産をたくさん持っている人のようです。
この制度は節税対策としてとても有効なようです。暦年贈与の基礎控除とその都度贈与だと、孫がまだ学生のうちにもしも自分が亡くなってしまった場合、残された財産には相続税がかかってしまいますが、一括贈与だとその心配はありません。
でも、課税対象になるほどの遺産を残した人の割合は、1年間に亡くなった人の8%に過ぎない、という報告もあります。一部の限られた豊かな家庭ほど有利になる制度にみなされても仕方ないのかもしれません。制度が始まって約5年間で1兆を超える額が非課税で贈与されていますが、この制度がなかったら、いずれ課税対象になっていた資産かもしれません。
まとめ
学生が少しでも豊かな生活を送れるよう、教育費を一括贈与しても非課税になるこの制度を継続・拡充させてほしいと思う文部科学省と、経済的な格差を生む制度にしかならないからと廃止を求める意見。与党の今後の判断に注目です。
以上、「祖父母などから受ける、教育費一括贈与の非課税制度。期限の来年3月以降どうなる?」という内容でした。
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