1型糖尿病を治すための研究に就くことを希望している、1型糖尿病を患っている若者を支援する、という奨学金ができました。
その名も「1型糖尿病根絶奨学基金」。給付型奨学金で大学への進学を応援します。
今回は1型糖尿病を支援する全国組織、日本IDDMネットワークが創った奨学金の紹介とともに、病気を正しく理解し、その理解を社会に広めるきっかけになれば、と願います。
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「1型糖尿病根絶奨学基金」について
1型糖尿病の根絶を目指して作られた奨学金の募集要項をみていきましょう。
設立
「1型糖尿病根絶奨学基金」事業を開始するのは、1型糖尿病患者にはおなじみの、認定特定非営利活動法人 日本IDDMネットワークです。
対象者
奨学金応募の対象者は、次の要件をすべて満たす人となります。
・1型糖尿病の当事者
・1型糖尿病の根絶のための研究に取り組む医療者または研究者を目指していて、2020年4月に関係する学部※への大学進学を予定している
(※関係する学部とは、医学・薬学系、バイオ学系、理工学系、工学系などを指します)
・住民税非課税世帯または生活保護を受けている世帯の子ども、あるいは、児童養護施設などを退所し2020年4月までに自立生活を予定している人
つまり、1型糖尿病の当事者&研究者志望&経済的に支援が必要、の3点すべてに当てはまる人が対象です。
給付金額
月額20,000円(返済不要で、最長6年間給付)
入学を確認後、5月末までに1年分が振り込まれます。
募集人数
10名程度
申し込み書類
①「1型糖尿病根絶奨学基金」申込書
申込書は公式ホームページからダウンロードし、応募者本人が作成します。
顔写真が必要です。
日本IDDMネットワーク公式ホームページ
https://japan-iddm.net/life-info/scholarship/
②学業成績証明書(直近のもの)
③1型糖尿病根絶に向けた想い(A4判2~3枚)
@書類の提出
2019年8月30日(金)までに(当日消印有効)、日本IDDMネットワーク事務局あてに、郵便または宅配便で送ります。
事務局への持参、ファクス、Eメール、メール便での応募は受け付けない、とのことですので、注意してください。
選考について
・1次選考は書類審査で(9月に実施)、通過者には2次選考として面接(10月に実施予定)が行われます。
・経済的に困っている度合いと、研究に対する熱意・取組内容を重視して選考されます。
・結果は、2019年10月下旬までに文書で通知されます。
給付決定後のお願い
奨学生には、1型糖尿病の根絶に向けた現場を重視する研究者、医療者になることが望まれています。例えば、研究室の訪問、サイエンスフォーラム出席など、研究者と患者や家族が直接交流する場が設定されたときには参加し、意識を高めます。
ところで「1型糖尿病」って、どんな病気?
糖尿病は患者数も多く、病名は誰もが知ってるのに、「1型糖尿病」は誤解されやすい病気でもあります。
まず基礎知識として、糖尿病とは血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が基準値よりも高い状態が慢性的に続く病気です。血液中のブドウ糖を細胞へ運ぶインスリンというホルモンの分泌が不足したり働きに異常が生じることで発症します。
一般的に「糖尿病」という場合は、生活習慣等が原因で発症する「2型糖尿病」を指します。一方で、病態自体は似ているものの、主に自己免疫の暴走によって引き起こされる糖尿病のことを「1型糖尿病」といいます。
1型糖尿病の特徴
「1型」は、子どもや青年など若い人を中心に幅広い年齢で発症します。自己免疫によって膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島と呼ばれる部分にあるβ細胞が破壊され、インスリンを作ることができなくなる病気です。原因は解明されておらず、生後数か月の乳児でも発症することがあるそうです。
過去のウィルス感染が原因ではないか、という説が有力ですが、まだ発症原因については特定されていません。いうまでもなく生活習慣病ではありませんし、先天性・遺伝性の病気でもありません。当然のことながら、患者と接したからといって、他者に感染するような病気でもありません。
「1型」ではβ細胞の破壊により、インスリンがまったく分泌されなくなるので、毎日インスリンを投与しなければ数日で命を落とす可能性があります。
一方で、インスリンの投与などによって適切に管理ができていれば、健康な人と変わらない生活が可能です。実際に仕事もスポーツもできますし、プロのスポーツ選手になっている人もたくさんいます。
現状
1型糖尿病の国内での年間発症率は、10万人当たり1~2人と少なく、糖尿病全体の5パーセントにすぎません。それで、糖尿病の大半を占める2型糖尿病と混同され、生活習慣病だと誤解を受けることもあるようです。偏見に苦しんだり傷つけられたり、また、就職で不利になることもまだまだあります。
そして、毎日のインスリン補充が必要なので、合併症がなくても医療費は毎月1万5千円~3万円程度かかります。患者や家族には、精神的・経済的な負担が大きく、病気に対する理解を社会にもっと広げていかなくてはなりません。
日本IDDMネットワークについて
「1型糖尿病根絶奨学基金」を作った、認定特定非営利活動法人 日本IDDMネットワークという団体についても解説しましょう。
IDDMとは、insulin dependent diabetes mellitus 、つまり、インスリンに依存している状態のことで、主に1型糖尿病のことを指します。日本IDDMネットワークは、1型糖尿病の患者や家族を支援する団体です。
設立の経緯
認定特定非営利活動法人 日本IDDMネットワークは、1995年9月に発足した「全国IDDM連絡協議会」が元になっている団体で、その後2000年に法人化されました。
発足のきっかけは、1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災です。被災地では、いろんな物資が不足しました。命に関わる医薬品の確保も困難な状態で、インスリンの入手にも多大な苦労があったようです。これを契機に、緊急時の対応を含め、患者や家族が連携を図る全国的な組織ができました。
3つのミッション
日本IDDMネットワークでは、団体としての将来のビジョンや活動方針を3つのミッションとして掲げています。
①救う
これまでの経験を積み重ねて得た知識を患者や家族に還元します。発症直後などで不安を抱えている患者や家族に情報とコミュニケーションを準備し、これから生じるであろう色々なケースに対処、参考にしてもらうことができます。
②つなぐ
患者や家族と共に様々な方面に連携することで、医療・企業・行政・そして社会とつなぎます。情報交換したり支えあったりできる仲間がいると心強いです。
③解決する
研究者に研究費を助成し、1型糖尿病の根治を目指します。
最終目標に向かって
日本IDDMネットワークが目指すのは、治らない病気とされている1型糖尿病を治る病気にすること、そして、最終的には1型糖尿病の「根絶」が目標です。
「根絶」は、「根治」「治療」「予防」のすべてが可能な状態と定義しています。
「根治」とは、インスリンの補充から解放されて病気になる前のもとの体に戻ること
「治療」とは、現在の治療法の改善により体への負担が軽くなり生活の質が向上すること
「予防」とは、新しく発症する患者を無くして1型糖尿病を完全に克服すること
1型糖尿病の「根絶」のための研究をサポートするため、2005年に「1型糖尿病研究基金」が設置されています。そして今回新たに、経済的な理由で大学への進学が難しい当事者が「根絶」を目指して研究者になるのを応援する制度「1型糖尿病根絶奨学基金」が設置されることになりました。
まとめ
1型糖尿病は、インスリン補充で適切に管理ができていると、健康な人と変わらない生活ができます。パッと見てわかる病気ではないので、自分の知り合いに1型糖尿病の人がいないと思っていても、実は近くに暮らしているかもしれません。
そんな私たちにできることは、病気を正しく理解すること。そして、寄附金で運営される奨学基金を支援することでしょうか。
寄附を考えている方はこちらです。
https://japan-iddm.net/support/fund/scholarship/
以上、目指すは根絶!「1型糖尿病根絶奨学基金」創設で、1型糖尿病当事者が研究者になるのを応援、という内容でした。
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