東京工業大学は2018年から始まった「大隅良典記念奨学金」の中に、新たに「ファーストジェネレーション枠」を追加すると発表しました。2020年の新入学生から対象で、予約採用の応募受付を開始しています。
「ファーストジェネレーション」とは聞きなれない言葉ですが、「家族の中で初めて大学に進学する世代」のことを指すそう。親が4年制大学を卒業していない受験生が対象になるというのは、なんともユニークな奨学金です。
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大隅良典記念奨学金について
東京工業大学の大隅良典栄誉教授は、「オートファジー(細胞の自食作用)の仕組みの解明」によって、2016年にノーベル生理学・医学賞を単独受賞しました。東工大が大隅栄誉教授からの多額の寄付を原資として設立したのが、大隅良典記念奨学金です。将来、日本を支える優秀な人材を育てるために創られました。
「ファーストジェネレーション枠」を創設
この度、大隅良典記念奨学金の中に、「ファーストジェネレーション枠」が新設されます。これは2020年4月入学者から、親が4年制大学を卒業していない人を対象に募集されます。
この奨学金の創設には、根底に「多様な人材を集めたい」という想いが込められています。
2018年に定められた「東工大コミットメント2018」の中で、3つのコミットメント(約束・公約)が発信されていますが、そのひとつが「多様性と寛容」(あとのふたつは「協調と挑戦」「決断と実行」)。「ファーストジェネレーション枠」で様々な環境で育った異なる着眼点を持つ学生を対象にしました。いろんな文化や思想を持つ学生が交わることで、学生の発想や思考がより広がることを期待しているんだそうです。
もともとは「地方出身者」が対象
大隅良典記念奨学金は2017年に発表され、2018年の新入生から適用されました。
この奨学金はもともと、全国から多様な人材が集まってくることを期待して、首都圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)以外の道府県の高校出身者が対象の「地方出身者枠」奨学金でした。
その奨学金の中に新たに「ファーストジェネレーション枠」を創設した、ということ。今後は「地方出身者枠」「ファーストジェネレーション枠」という2つの枠で応募が可能になります。
なお、今後も「地方出身者枠」奨学金も同時に募集しています。ただし「地方出身者枠」には推薦が必要で、各高校から1人のみ推薦可能。在籍している高校経由で応募します。高等学校での成績や、親の収入などの条件がありますので、興味がある人は募集要項をご覧ください。
東京工業大学「地方出身者枠」募集要項はこちら
https://www.titech.ac.jp/enrolled/tuition/pdf/ohsumi_scholarship/191004_ohsumichiho.pdf
「ファーストジェネレーション枠」奨学金の内容について
では、具体的に「ファーストジェネレーション枠」の応募内容を見ていきましょう。
この奨学金は予約採用です。奨学生になるにはまず受給の資格をゲットしたあと、入試に合格する必要があります。地域枠奨学金と違い、高校ごとの定員はありません。
応募資格
①2020年度に東京工業大学学士課程に入学を強く希望する者
②親が4年制の大学を卒業していない者(母子・父子家庭の場合は、扶養している親の学歴が対象)
③学業成績が優秀で、高等学校での第1年次から申込み時点までの評定平均値が4.3以上相当の者
④世帯の税込み年収が、給与所得の場合800万円未満・給与所得以外の場合337万円未満
⑤日本国籍の者、および永住者などの在留資格を持つ者
なお、②に関しては、お兄さんお姉さんが4年制大学に進学していても、親が卒業していなかったら対象になる、とのこと。家族の中で初めて大学に進学することを意味する「ファーストジェネレーション」の奨学金ですが、「きょうだいの中から一人だけ」という訳ではないのですね。
奨学生採用予定人数
「ファーストジェネレーション枠」と「地方出身者枠」を合わせて20名ほど
支給額
月額5万円
給付期間
原則として、支給は学士課程の標準修業年限(4年間)ですが、卒業後に引き続き修士課程に入学し、資格を満たす場合は、修士課程の標準修業年限以内(2年間)で支給を継続できます。
スケジュール
2019年10月~11月11日 募集受付
↓
2019年11月 選考
↓
2019年12月 内定通知
↓
2019年12月~2020年3月 出願・受験・合格発表・入学手続き
↓
2020年4月 正式採用
詳しくは、公式ホームページをご覧ください。
東京工業大学「ファーストジェネレーション枠」募集要項はこちら
https://www.titech.ac.jp/enrolled/tuition/pdf/ohsumi_scholarship/191004_ohsumifg.pdf
ところで、東京工業大学の特徴ってどんなの?
東京工業大学は創立から130年を越える歴史を持つ、国立大学です。学生数は、学士課程に約5000人、大学院課程に約5000人いて、そのうち約1200人が海外からの留学生です。世界最高の理工系総合大学を目指しています。
指定国立大学法人
東京工業大学は2018年に文部科学大臣から指定国立大学法人に認定されました。
指定国立大学法人制度とは、日本の大学において、世界トップ水準の教育研究活動の展開が見込まれる国立大学法人を文部科学大臣が指定するものです。現在、指定国立大学法人に認定されている大学は、東京工業大学の他に、東北大学・東京大学・京都大学・名古屋大学・大阪大学・一橋大学の計7校です。
指定国立大学法人に認定されると、資産運用の規制が緩和されたり、研究成果を活用して株式会社を設立することなどが認められます。
東工大は、指定国立大学法人として目指す方向を「より多様な学生のニーズに応える」「多様な文化的背景を有する学生同士が切磋琢磨する環境を充実」と、ここでも多様性を求める構想をトップに挙げています。
授業料は2019年入学生から改定
東京工業大学の授業料は2019年度から値上がりしています。国立大学の授業料は標準額で統一されていましたが、2018年9月に東工大が国立大学の学士過程として初めて値上げを発表し、世間を騒がせたことは記憶に新しいですね。
値上げは2019年の入学生から適用され、授業料は年額53万5800円だったのが、63万5400円になりました。
値上げ分は、英語での講義を増やすために外国人教員を招聘(しょうへい)したり、世界の第一人者を招いての講義を充実させることに使われるとのことです。大学側は入学を断念する学生を出さないよう、独自の奨学金を充実させると述べています。大隅良典記念奨学金はまさにそのひとつと言えますね。
まとめ
日本では大学でも企業でも研究開発の予算が減らされ、これからは研究者にとっては長期的な展望で研究に取り込むことが難しくなることが危惧されています。研究者には人類や自然環境の平和のために、これからも励んでもらいたいですね。
2019年のノーベル化学賞では、リチウムイオン電池を開発した吉野彰氏が受賞しました。大隅良典氏が受賞したものとは部門が違いますが、日本人研究者のますますの活躍を期待したいですね!若い学生の皆さんも未来の研究者を目指して、奨学金を活用しチャレンジしてください。
以上、東京工業大学の奨学金「ファーストジェネレーション枠」とは?親が4大卒でない学生を支援!予約採用で受付開始、という内容でした。
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