大学受験で晴れて合格通知を受け取っても、ホッとしてはいられないのが、合格後に納入する入学金(初回納入金)です。
20万円前後の入学金だけ支払って、授業料は入学後の支払いと思い込んでいて、高額の納入金請求が来て慌ててしまっているご家庭、ありませんか?
または、「学資保険を掛けていたのに金額が全然足りなかった」「推薦で年内に合格したけど、学資保険の満期が年明けだった!」などと途方に暮れている場合もあるかも知れません。
合格発表後の「入学金の支払い」には、入学金と初年度前期の授業料(学費)、教育支援費などの諸経費が含まれます。大学や学部によって差はありますが、私立大学ではざっくり100万円前後かかるケースが大半です。
勝ち取った「合格」を無駄にしないためには、必ず入学金(初回納入金)を支払わなければいけません。入学金を準備する方法や、どうしても準備できない場合に考えられる対策を説明します。
- 借りる?延納する?使える制度を探す【ステップ1】
- 借りる~とにかく今必要!借りられるところからとにかく借り入れて払う【ステップ2】
- 第一選択肢は国の教育ローン!ただし融資まで約20日かかる【ステップ3】
- メインバンクなどで銀行教育ローンを検討!【ステップ4】
- 奨学金の採用が決まっていて、かつ入学時増額を申し込んでいるなら「ろうきん」が使える!【ステップ5】
- 締め切りまで何日もない!という場合は銀行などのカードローンを検討【ステップ6】
- 借りる~目の前の納入金のためにカードローンで借りたら、あとから低金利のローンで借り換える【ステップ7】
- 支援制度~行政や大学、専門学校の使える制度を探す【ステップ8】
- 初回納入金を支払っても安心しちゃダメ!後期分納入金も今から準備を……【重要!】
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借りる?延納する?使える制度を探す【ステップ1】
希望した学校に合格したのに、納付期日までにお金が準備できないとき、どうしたらよいでしょうか?
納付期限を遅らせてもらえる方法がないか問い合わせを!
合格後の入学金や初回納付金の締め切りは、基本的に厳格に守らなければいけません。
期限までに納付しないと辞退したとみなされ、合格=入学する権利そのものが取り消しになってしまいます。
しかし、まれに納付金を延納で受け付けてくれる場合や、納付金の一部を期限内に収めて、残りを分納させてくれる場合など、何らかの措置を取ってくれる学校もあるようです。
個別対応になっているケースも見受けられます。募集要項などで「分納できます」などとアナウンスされていなくても、本当にせっぱつまっている場合は、ダメ元で大学・専門学校などに相談してみても良いかもしれません。ただし本来は期限内に入学金を収めるのが基本ルールです。特別に猶予してもらう措置はレアケースと思い、真摯に学校に問い合わせをしてみてください。
クレジットカード払いは手数料に注意
クレジットカード払いに対応している大学なら、納入金をクレジットカード払いにする手もあります。実際の支払いまでに多少の日数を稼ぐことができます。
ただし高額な納入金に対応できる限度額が必要です。また、システム利用料等の名称で多額な手数料がかかる場合があるので、ご注意ください。
分納や延納などが難しい場合は、工面する方法を模索する
現実的に納付期限を延ばしてもらえそうにない場合は、どうにかしてお金を用意する必要があります。
家族(親・兄弟)や親戚に頼めそうなら幸いですが、そうでない場合は
・どこかから借りて払う
・給付してもらって払う
・公的な支援制度を探す、ということになります。
それぞれの手段や方法について、順を追ってみていきましょう。
借りる~とにかく今必要!借りられるところからとにかく借り入れて払う【ステップ2】
「合格後に払うのは入学金25万円だけと思っていた」
「AOで決まったから学資保険の満期が年明けの2月で間に合わない」
「急に推薦入試で受けることにしたからマネープランが狂った」
予定していた「教育費の調達方法」ではまったく間に合わない!とにかく切羽詰まっている、という場合は、まず落ち着いてください。
頭を切り替えて、借りられるところを探しましょう。頼めそうな身内はいないか、など現状できる手立てが本当にないかどうかを、落ち着いて考えてみましょう。
そして「やはりどこかから借りるしかない」場合は、次のステップを考えてみます。
第一選択肢は国の教育ローン!ただし融資まで約20日かかる【ステップ3】
一番に検討をおすすめするのが、教育費を借りられる公的ローン「国の教育ローン」です。これは、政府系金融機関である日本政策金融公庫の教育一般貸付のことです。
固定金利2.25%(2023年11月現在)で利用可能です。
教育費の借入先として多くの人が第一選択肢に考えるポピュラーなローンですが、利用には世帯年収の上限があり、世帯収入の多い家庭では利用できません。
申し込み時に提出書類が多い上に、申込みから融資まで20日程度と案内していますので、「1週間以内にお金が必要」という場合には使いにくいかも知れません。
▼国の教育ローン
限度額 |
子供ひとりあたり350万円まで(条件※を満たせば450万円まで利用可) ※自宅外通学、修業年限5年以上の大学(昼間部)、大学院、海外留学の資金として利用する場合 |
年利(2023年11月現在) |
2.25%(固定金利・保証料別※2022年11月現在)☆母子家庭など条件により1.85% ※融資時に差し引かれる |
借入期間 |
18年以内 |
その他 |
世帯年収の上限あり |
メインバンクなどで銀行教育ローンを検討!【ステップ4】
次に、メインバンクやそのほかの銀行で自分に合った教育ローンがないか探してみましょう。
指定した口座に振り込まれる場合と、銀行側に必要な金額を指定し、直接大学や専門学校に振り込んでもらう場合があります。
一例としてみずほ銀行教育ローンのスペックをのせてみます。
▼みずほ銀行教育ローン(2023年11月現在)
限度額 |
300万円 |
年利 |
3.475%(変動金利) 4.700%(固定金利) |
借入期間 |
最長10年 |
保証人 |
不要 |
銀行教育ローンでは、お金が用意されるまでにだいたい2週間前後は必要です。まれに早い商品もあるようですが、納付金の振込期限まであと10日とか1週間、といった場合には、(問い合わせてみないとわかりませんが)難しいケースも出てくるかも知れません。
そんな時は、ネット系と呼ばれる銀行の教育ローンなら、融資までの時間が短縮できるかもしれません。ネット系銀行とは、都市銀行とも地方銀行とも違う、ネットバンキングを主要とする形態の新しい銀行で、
・楽天銀行
・セブン銀行(有人店舗あり)
・イオン銀行(有人店舗あり)
・ジャパンネット銀行
・ソニー銀行
・住信SBIネット銀行
・大和ネクスト銀行
・じぶん銀行
などが挙げられます。
いずれにしてもローン審査は個々の事情で審査スピードが変わるものです。急ぎの場合は、まず相談してみることをおすすめします。
奨学金の採用が決まっていて、かつ入学時増額を申し込んでいるなら「ろうきん」が使える!【ステップ5】
この記事を読んでいただいている時期によっては、すでに来年度進学のために日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を予約採用で申し込み、採用が決まっている人もいると思います。
その中で、「入学時特別増額貸与」を申しこんでいる人に限り、ろうきん(労働金庫)の「入学時必要資金融資」が利用できるのを知っていますか?
これは、入学後の6月頃に振り込まれる「入学時特別増額貸与」を返済資金とする特別融資。簡単に言えば奨学金の増額分が振り込まれるまで、先払いで融資してあげますよ、というシステムです。
したがって、申し込める利用限度額は、すでに申し込んでいる特別増額貸与奨学金の金額になります。例えば「入学時特別増額貸与」を50万円申し込んでいる場合は、ろうきんの「入学時必要資金融資」を50万円まで申し込めます。
申し込み後審査があり、通常1週間程度の融資と案内されています。納付期限が迫っている場合は受付不可になる可能性もありますので、お問い合わせください。最寄りのろうきん(労働金庫)で受け付けてくれます。
締め切りまで何日もない!という場合は銀行などのカードローンを検討【ステップ6】
いろいろあたってみたけど「どうしても用意できない。納付締め切りが目前に迫っている。」という場合は、融資スピードの速いカードローンが確実です。少々金利は高いですが、とにかくお金を用意しなくては!という局面では、もっとも頼りになる存在です。
銀行カードローン:安心の銀行発行で、融資スピードも最短翌営業日
みずほ銀行、三井住友銀行などの都市銀行や、地方銀行、全国対応のネットバンクでは銀行カードローンを取り扱っています。過剰融資問題などで風当たりが強くなっていますが、いざと言う時に頼れることは間違いありません。
ただし2018年より審査方法が変更になり、即日融資は不可になりました。融資スピードという点ではおすすめできないローンもあるので、急ぎの場合は注意して利用してください。
信販系カードローン:クレジット系の会社が発行しているカードローン
株式会社オリエントコーポレーション(オリコ)や株式会社ジャックス、株式会社セディナなど、クレジット系の会社を「信販会社」と呼び、各社ともカードローンを展開しています。
区分としては銀行ではなく貸金業になりますので、2018年以降も即日融資可能です。また金利も高く(最高金利で18%つく場合あり)貸金業者なので総量規制も適応されます。
消費者金融系カードローン:即日融資可能、無利息サービスあり
プロミス、アイフル、SMBCモビット、レイクといった消費者金融のローンのことです。こちらも信販系と同様に、即日融資可能です。総量規制が適応されます。
多くの消費者金融系カードローンでは、30日間無利息などの無利息サービスを行っており、上手につかうと期間中は金利負担なし、つまり無利息で借り入れできます。
借りる~目の前の納入金のためにカードローンで借りたら、あとから低金利のローンで借り換える【ステップ7】
入学金の支払いに、緊急に金利の高いカードローンを使った場合は、そのまま借りっぱなしにせず、金利の低い教育ローンなどで借り換えるのを忘れないでください。
また、その他考えておくべきポイントについてもピックアップします。
銀行カードローンを利用し、同時に教育ローンも申し込んで借り換える
先に融資スピードの速いカードローンで借りて支払い、同時に教育ローンも手続きして、教育ローンが下り次第カードローンを精算する方法です。
借入先が増えて不安な場合は、自分のメインバンクなど1カ所で申し込むと話が通りやすくなります。カードローン精算後は、教育費調達のサブ的手段として、温存しておきましょう。
奨学金がまだなら申し込む(在学採用もある)
進学してから使う奨学金をまだ申し込んでいないなら、進学してから申し込む方法(在学採用)もあります。在学採用では、実際にお金が振り込まれるのは7月ごろになりますが、入ったぶんから返済に充てていく方法もあります。
なお在学採用ではすべて貸与型奨学金になります。JASSOの給付型は申し込めません。
国の教育ローンに申し込んだことがないなら申し込んでみる
とりあえず早く借りて払うことばかり考えて、肝心の国の教育ローンを申しこんでいなかった……という場合は、これからでも遅くありません。国の教育ローンは融資に20日程度かかりますが、入学する月の翌月までなら「入学金」として支払った分の融資を申し込めます。低金利の国の教育ローンに借り換えましょう。
国の教育ローンをすでに利用しているなら増額する
何らかのタイミングですでに国の教育ローンを使っている、という場合は、こどもひとりあたり借入合計で350万円まで(自宅外通学や海外留学費用など条件を満たせば450万円まで)追加借入れ可能です。
なお増額分はすでに借りている分とは別口のローンになります。再度申し込み書類・審査が必要です。
▼国の教育ローンの追加融資についてはこちら
支援制度~行政や大学、専門学校の使える制度を探す【ステップ8】
各都道府県や市町村、大学、専門学校では、いろいろな支援制度を持っている場合があります。自分が申し込めるものがないか、使えるものがないか、確認してみましょう。
大学独自の給付型奨学金、入学後の申し込みを検討
最近は出願前に申し込める給付型奨学金が人気ですが、もちろん入学後に申し込む学校の奨学金もあります。返還不要の給付型奨学金もあるようなので、告知に注意しておきましょう。
なお、入学後に授業料の納入に困った場合は、延滞制度を設けています。学費納入の案内と同時に延納の手続き方法も案内されるので、チェックしておきましょう。
生活福祉資金制度についても調べてみる
他から融資を受けにくい低所得世帯や、障害のある人がいる障害者世帯、65歳以上の高齢者のいる高齢者世帯では、社会福祉協議会が取り扱っている、生活福祉資金※が使える場合があります。
お住まいの市区町村の社会福祉協議会に問い合わせてください。
▼生活福祉資金についてのサイト
※障害者や障害児を対象とした地域生活支援事業とは異なります。まれに混同する人がいますのでご注意ください。
初回納入金を支払っても安心しちゃダメ!後期分納入金も今から準備を……【重要!】
あらゆる手段を検討して、どうにかこうにか初回の納付金を支払ったとしても、酷なようですが、まだ安心してはいけません。今後卒業するまで半年に1回、まとまった学費請求がやってきます。
ちなみに筆者宅では、本人の奨学金・アルバイト代・親の貯蓄・ボーナスまでなんでもかんでも総動員で、本人の学費や生活費をどうにかやりくりしました。
なにはともあれ、初めの一歩とも言える「入学金・初年度納入金(初回納入金)」を無事に収められますように!
以上「大学入学金、学費が払えない!使える手段を8ステップで解説:とにかく借りる?延納できる場合も!」という内容でした。
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参考リンク: