多くの大学生が利用している、日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金は、学生にとってはなくてはならないものですが、近年、社会人になっても経済的に苦しくて返還が思うようにいかない、という話をよく聞きます。
日本学生支援機構の奨学金の返済が困難な場合の救済措置に「返還期限猶予」という制度があります。2014年に猶予期間が5年から10年に延長されたので、2014年の時点で5年の猶予期間が終わり更に5年の猶予を受けた人は、来年(2019年)で10年間の猶予期間が終わり、奨学金の返還が始まります。
10年もの長い期間、返還を待ってもらった人がスムーズに支払うことができれば何の問題もないですが、経済的に苦しいから猶予してもらっていた人が、状況が改善せず経済的に苦しいままだと、期間終了前に手立てを考える必要があります。
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「返還期限猶予」10年間の猶予期限が終わる人は注意を!
「返還期限猶予」の猶予期間は以前は5年間でしたが、2014年から10年に変更されました。2014年の時点で5年の猶予期間が終わったものの返還が困難な状況は変わらず更に5年の猶予を受けた人は、来年(2019年)で10年間の猶予期間が終わり、奨学金の返還が始まります。10年間の猶予期間が終わる初めての年に当たります。
返還できない人はどれくらいいるの?
日本学生支援機構(JASSO)の発表によると、平成28年度末の時点で、奨学金の返済が3か月以上延滞している人は約16万1千人で、返還者数の3.9%に当たるそうです。
日本学生支援機構:平成28年度奨学金の返還者に関する属性調査結果
https://www.jasso.go.jp/about/statistics/zokusei_chosa/h28.html
返還できないとどうなる?
決められた返還期日までに返還できないと、延滞金が5%課されます。2回延滞すると連帯保証人(父か母等)にも請求書が送付されるようです。そして延滞が3回になると、個人信用情報機関に延滞情報が登録されてしまいます。登録されると、いわゆる「ブラック」と呼ばれる状態になり、クレジットカードが発行されない、または利用できなくなったり、各種ローンを組めなくなったりします。
また、返還金を延滞すると、本人、連帯保証人、保証人に対して、文書と同時に電話による督促も行われます。
そして、返還を長期間延滞すると、民事訴訟法に基づいて、「支払い督促申し立て」等、法的措置を執ることもあるようです。放っておくと、給料等が差し押さえになることもあります。
ただし裁判所に「異議申立書」を提出して訴訟に移行すると、ほとんどの場合、分割返還による和解で解決されているようです。
日本学生支援機構奨学金の返還が困難になったら
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の返済が様々な理由で困難になった時の救済措置としては、「返還期限猶予」と「減額返還」があります。
日本学生支援機構:返還が難しいとき
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/index.html
返還期限猶予とは?
奨学金の返済が難しいとき、支払いを先延ばしにしてもらう制度のことです。申請して認められる理由としては、傷病・災害・経済的困難・新卒等・産前産後育児休業などがあります。支払期間を待ってもらうだけで、利息が増えたり延滞金が発生することはなく、返還する金額は変わりません。
申請をして認められると、返還が1年間猶予されます。継続してもらうためには、毎年申請する必要があります。申請理由によっては猶予される年数に制限はありませんが、原則的に猶予期間は最長10年です。
減額返還とは?
毎月決められた金額の返済が難しいとき、返済額を2分の1または3分の1に減額してもらう制度です。この場合も利息が増えたり延滞金が発生することはなく、返還する金額は変わりません。
減額返還制度も適用されるのは1年間で、毎年申請をすることによって最長15年まで延長できます。返済額が3分の1に減額された場合は、返還期間が3倍になるということです。
▼奨学金返還ができない場合の手段について、より詳しく解説しています。こちらもかならず合わせてご一読ください。
最終手段は「自己破産」ですが……
奨学金の返還がままならない人には、さまざまな事情があると考えられます。収入が不十分・不安定で生活に追われ、奨学金の返済どころではないこともあるでしょう。リストラにあって無職の人や、病気になって働けない人もいるかもしれません。
さまざまな策を練っても、もう本当に手段がない、と絶望的な気持ちになる場合も。そんな時は、債務整理や自己破産について考える必要が出てくるかもしれません。
近年社会問題化していますが、奨学金の返済がきっかけで自己破産する人も多いようで、「奨学金破産」という言葉まで生まれています。
借金の清算の中でもっとも重い「自己破産」というシステム、参考までに概要をまとめてみました。
自己破産のメリット
自己破産とは、借金の支払いが不可能であると裁判所に認めてもらい、すべての借金をゼロにすることです。これによって奨学金の返済から解放され、これからの生活を立て直しを図ることが可能になります。
自己破産のデメリット
自己破産すると、生活するのに必要最小限の財産は持てますが、家や車等は処分されます。自分は返済を逃れられても、連帯保証人や保証人に請求が行きます。職業や資格の制限があったり、クレジットカードやローンを5年以上利用できなくなります。また、税金や賠償金は免除されません。
自己破産を考えている場合は、少しでも早く、弁護士や税理士など専門家に相談するようにしてください。状況を分析してもらい、自己破産以外の方法がとれる場合もあります。
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まとめ
最近、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の返還と聞くと、半分の支払い義務しかない保証人にも全額支払うよう請求していたというニュースが思い起こされます。保証人は4親等以内の親族がなるのが原則なので叔父や叔母にお願いするケースが多いです。
連帯保証人(父か母)も、本人が返せない場合に全額の返還責任を負いますので、保護者とはいえ、なかなか大変な状況に陥ります。
これから奨学金を利用する人は、機関保証機関制度を利用し、保証料はかかりますが家族・親戚を守る保険と思い、ぜひ保証制度の利用を検討してください。
なお、奨学金の返済が重くのしかかり、返すのがどうしても無理になって自己破産せざるを得ない場合もあるかもしれませんが、法テラス(日本司法支援センター)など相談できる窓口を利用する等、なんとか前に進む方法を探してみてください。
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以上、「2014年にJASSOの奨学金返済猶予期間10年を選択した人へ!2019年からの返済開始に注意」という内容でした。
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