日本学生支援機構の奨学金を予約採用で申し込んだ場合、10月頃に届く採用のお知らせと一緒に、国の教育ローンやろうきんの利用案内が入っています。筆者はもともと「ろうきん」は「労金=労働金庫」のこと、という程度の知識しかなく、わが子が奨学金の採用になった時に、奨学金と組み合わせて利用できるシステム(ろうきんの入学前必要資金融資)があることを知りました。
ただし、ろうきんは奨学金と連動している資金融資だけでなく、保護者が借りる教育ローンも、もちろん用意されています。筆者の居住地域では時々テレビCMでも見かけますが、みなさんのところではいかがでしょうか?なんとろうきんの教育ローンには、珍しいカードローン型の教育ローンがあるんですよ!!これは一度しっかりリサーチしたほうがよさそうです。
▼必要な時に繰り返し融資を受けられるカードローン型の教育ローンを筆者が切望している記事はこちら
今回は関東地区を営業地域としている中央労働金庫(中央ろうきん)の教育ローンの内容をご紹介します。同様の教育ローン(カードローン型など)はその他のろうきんでも取り扱っていますが、商品内容や金利は各ろうきんごとに決められています。中央ろうきん以外の営業区域の方は、必ず居住地のろうきん教育ローンの内容を確認のうえ、ご検討ください。
各ろうきんの営業対象地域は、下の方に一覧でまとめています。
- 【基本】ろうきんとは?誰でも利用できるの?
- ろうきん教育ローンの目玉はカードローン型!従来型の証書貸付型教育ローンもあり
- ろうきん教育ローンの審査は厳しい?貸付条件は?
- ろうきん教育ローンカードローン型のメリット・デメリット&金利情報
- ろうきん証書貸付型教育ローンのメリット・デメリット&金利情報
- まとめ
- 全国の労働金庫と対象都道府県の一覧表
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【基本】ろうきんとは?誰でも利用できるの?
ずばりろうきんとは、労働金庫のこと。労働金庫とは、労働金庫法に基づいて業務を行っている、非営利型の協同組織金融機関、となっています。民間の銀行では株主が資金を出して運営していますが、労働金庫は労働組合や生活協同組合の組合員が会員となって出資し、運営を行っています。運営の形態が異なるだけで、取り扱っている金融商品やサービスは、一般の銀行と同様になっています。
労働組合とかに入っていないと利用できないの?
ろうきんそのものは、労働組合の組合員でなくても、利用する方法があります。所属している団体や状況に応じて、利用条件が決められています。ここでは中央ろうきんの利用条件について紹介します。
労働組合などの組合員
中央ろうきんに出資している団体の会員が利用できます。ここでいう団体とは、労働組合、国家公務員や地方公務員等の団体、勤労者のための福利共済活動を目的とする団体を指します。担当営業店は団体ごとに決まっているので、所属している団体か、最寄りのろうきん支店で確認してください。会社によっては、ろうきんの営業マンが出入りしている場合もあります。
生活協同組合(いわゆる生協)の会員と、同一生計の家族
中央ろうきんに出資している生活協同組合で、生協組合員融資制度を導入している生協の会員と、同一生計の家族も利用できます。たとえば妻が生協会員の場合、夫名義でも利用可能です。2016年8月現在で184の生協が中央ろうきんの会員となっています。
入会している生協で利用できるかどうか不明な場合は、最寄りのろうきんでご確認下さい。
上記以外の一般の勤労者
労働組合や生活協同組合の会員でない勤労者でも、以下の方法で中央ろうきんを利用できます。
●中央ろうきん友の会に加入(入会金・年会費無料)
または
●個人会員として加入(最低出資金1,000円)
ただし、預金や小口ローンのみの場合は、会員にならなくても利用可能です。
退職者
退職後の元組合員の場合は、原則「中央ろうきん友の会(入会金・年会費無料)」に入会して利用することになります。
会員の種別で利用条件が変わるので注意!
特に住宅ローンや教育ローンなど、大口のローンの場合は、会員の種別ごとに条件が定められています。例えば団体会員と生協会員、一般会員では金利などが大きく異なります。充分確認のうえ、ご検討ください。
ろうきん教育ローンの目玉はカードローン型!従来型の証書貸付型教育ローンもあり
さて、本題に入りましょう。
ろうきん教育ローンは、本人や家族などが在籍する小学校~大学など指定されている各種教育機関への納付金や、教育関連費に利用できるローンです。入学金や各種納付金、授業料はもちろんのこと、受験費用・下宿の敷金など幅広い用途をカバーしています。
※仕送りにももちろん使えます。ただし、申込理由が仕送りだけの利用では不可です
教育ローンは、多くの金融機関で取り扱っていますが、その多くが1回毎に融資を行うローンです。例えば、教育費として300万円必要、となった場合、申込額300万円で審査を受け、一括で300万円の貸付が行われます。余談ですが、当然借り入れた時点から利息が発生します。ろうきん教育ローンにも証書貸付型、という名称のローンがありますが、これが通常の1回毎に審査を受ける教育ローンとなります。
一方、ろうきん教育ローンカードローン型は、同じく教育費として300万円必要、となった場合に、限度額300万円で申し込みを行います。限度額300万円で審査を受け、審査通過したら、300万円まで利用可能なカードローンとして利用カードを受けとります。その後は在学中、必要な時に、必要な金額だけカードで引き出して融資を受ける形になります。
このように、ろうきんには上記2パターンの教育ローンがあります。
ろうきん教育ローンの審査は厳しい?貸付条件は?
ろうきん教育ローンは、証書貸付型・カードローン型いずれも、以下のような貸付条件となっています。
ろうきん教育ローンの利用条件
●申し込み時に、満18歳以上満65歳未満であること
●完済時の年齢が満76歳未満になること
●同じ勤務先で1年以上勤務していること
●自営業者など給与所得以外の場合は3年以上同じ職場・職種で働いていること
●安定した継続的な年収があること(前年税込年収が150万円以上必要)
●所定の保証機関の保証が受けられること
この内容をみる限りでは、ごく一般的な利用条件となっているほか、安定収入の基準額をはっきりと表記していることから、どちらかと言えば利用しやすい教育ローンと考えます。
ただしカードローン型は団体会員または生協会員(家族含む)のみ
魅力的なカードローン型教育ローンですが、上記条件に加え、労働組合員か生活協同組合員、または生協会員の同一家計の家族、のみの利用となります。今、家族の中に労働組合員がおらず、これからカードローン型を利用したい、という場合は、生協に入会するのが一番近道でしょう。
では、次にカードローン型と証書貸付型のそれぞれのメリット・デメリットを順番にまとめてみます。
ろうきん教育ローンカードローン型のメリット・デメリット&金利情報
カードローン型のメリット
●一度審査を受けたら、極度額の範囲で在学中はATM・インターネットバンキングで借入自由
●利用期間が20年と長め
●在学中は利息返済のみ
●繰上返済の手数料無料
●担保不要
カードローン型のデメリット
●借り入れが10万円単位
●保証料が必要⇒表示金利に含まれています(証書型金利に保証分が上乗せされている)
●変動金利のみ
●対象校の在籍が終了したら借入も終了
カードローン型の金利&概要
▼ろうきん教育ローンカードローン型:金利と概要
団体会員 |
生協会員と家族 |
|
金利 ※2017年9月29日融資実行まで |
年2.900% ※変動金利 (保証料込みの金利) |
年3.180% ※変動金利 (保証料込みの金利) |
融資金額 |
10万円以上1,000万円以下(10万円単位) ※ただし、税込年収に対して、年間返済額が30%以内になるように設定する |
|
融資期間 |
利用期間と返済期間合わせて20年以内 利用期間は最長7年まで(在籍期間中に限る) |
|
借り入れ方法 |
・カードを使って労金ATM、提携金融機関のATM、コンビニATM、より借入 ・ネットバンキング「ろうきんダイレクト」で借入れ、自分の口座に入金 |
|
返済方法 |
・在学中は利息のみ毎月口座より返済(引き落とし) ・在籍期間終了後は、元金返済も開始(開始前に返済予定表により確認。返済開始後、金額変更も可能) ・ボーナス払いも併用可(返済総額の50%以内) |
ろうきん証書貸付型教育ローンのメリット・デメリット&金利情報
証書貸付型のメリット
●利用条件がカードローン型より緩やか(団体会員でなくても利用可)
●保証料は不要(金庫が負担)
●固定金利あり
●金利引き下げ要件あり
●融資方法が3パターンあり
⇒借入者名義で学校などに直接振り込んでもらえる
⇒一括貸付もしてもらえる
⇒4回まで分割融資もしてもらえる
●奨学金の借り換えにも利用できる(団体会員のみ)
●繰上返済の手数料無料
●担保不要
証書貸付型のデメリット
●融資毎に申し込み書類の提出・審査が必要
証書貸付型の金利&概要
▼ろうきん教育ローン証書貸付型:金利と概要
団体会員 |
生協会員と家族 |
左記以外の一般 |
|
金利 ※固定金利(10年以内の借入) ※2017年9月29日融資実行まで |
年2.400% |
年2.600% |
年3.400% |
金利 ※固定金利(10年超の借入) ※2017年9月29日融資実行まで |
年2.900% |
年3.100% |
年3.900% |
金利 ※変動金利 ※2017年9月29日融資実行まで |
年2.200% |
年2.400% |
利用不可 |
金利優遇:ずっとサポート引下げ |
団体会員または生協会員で、以下のいずれかの条件を満たせば、金利を年0.2%引下げ ・財形貯蓄またはエース預金のご契約 ・有担保ローンまたは無担保ローンのご契約 ※はるかぜ引下げ、奨学金借換引下げと併用可能 |
利用不可 |
|
金利優遇:はるかぜ引下げ |
身体障害者福祉法に基づき「身体障害者手帳」がある方は金利を年1.0%引下げ ※ずっとサポート引下げと併用可能 ※奨学金借換引下げとは併用不可 |
||
金利優遇:奨学金借換 |
奨学金の借り換えにする場合は、金利を年1.2%引下げ ※固定金利に限る ※ずっとサポート引下げと併用可 ※はるかぜ引下げとは併用不可 |
利用不可 |
|
融資金額 |
10万円以上1,000万円以下(1万円単位) ※ただし、税込年収に対して、年間返済額が30%以内になるように設定する |
||
融資期間 |
利用期間と返済期間合わせて15年以内 ※うち最長5年を元金据置期間にできる |
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借り入れ方法 |
3種類より選択 【一般タイプ】支払先(学校など)へ利用者名義で直接振り込み 【元金据置タイプ】一括融資で受け取る 【分割タイプ】最高4年間まで分割で受け取る※固定金利のみ |
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返済方法 |
【一般タイプ】 ・元利均等毎月返済⇒毎月一定額を返済する ・元利均等毎月・加算月(一時金・ボーナス)併用返済⇒毎月の定額返済と、ボーナス時など一時増額返済を併用する方法。増額は返済総額の50%まで設定可能 【元金据置タイプ】 最長5年間、利息のみ返済し、その後元利均等返済(加算月併用可能) 【分割タイプ】 ・分割期間(最長4年)、据置期間(最長5年)は、利息のみの返済 ・分割期間の利息は、融資額によって変わる⇒例えば400万円を100万円ずつ4回分割で毎年融資してもらう場合、初年度は100万円分のみの利息、2年目は200万円分の利息…となります。 ・融資終了(据置期間終了)後、元利均等で返済が開始 |
まとめ
詳しく見ていくと、おなじろうきんの教育ローンと言えども、カードローン型と証書貸付型ではかなり内容が違うことが分かりました。
カードローン型が使えるなら検討の価値あり!ただし……
利便性の良い教育ローンを探して求めている筆者にとっては、カードローン型はかなり魅力的です。変動金利なので今後条件が変わってくる可能性がありますが、2017年9月現在では、証書型と比較して極端に金利が違う、とまでは言えない差にとどまっています。
証書型の分割融資も筆者的には高得点
ただ、今回リサーチして、証書貸付型の分割融資がかなり「いけてる!」と感じた筆者です。面倒な申込み・審査は初めに済ませておき、融資が決定すると、その後4年間は安定して融資が受けられます。また、一括で全額融資を受け取るのに比べると、分割貸付になるので、かなり利息の節約になります。これはポイントが高いですね!
今回条件を比較したのは、関東地区が対象になる中央ろうきんの教育ローンです。各ろうきんによって内容が異なりますので、この記事を読んで「カードローン型がいいな」「証書貸付を申しこんでみようか」などと思ってくださった場合も、かならずお住まいの地域のろうきんで確認してください。
全国の労働金庫と対象都道府県の一覧表
▼全国労働金庫の一覧
労働金庫名 |
対象の都道府県 |
北海道労働金庫 |
北海道 |
東北労働金庫 |
青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島 |
中央労働金庫 |
茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨 |
新潟県労働金庫 |
新潟 |
長野県労働金庫 |
長野 |
静岡県労働金庫 |
静岡 |
北陸労働金庫 |
富山・石川・福井 |
東海労働金庫 |
岐阜・愛知・三重 |
近畿労働金庫 |
滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山 |
中国労働金庫 |
鳥取・島根・岡山・広島・山口 |
四国労働金庫 |
徳島・香川・愛媛・高知 |
九州労働金庫 |
福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島 |
沖縄県労働金庫 |
沖縄 |
秋になると、いよいよ大学受験もシーズンに入ってきます。センター試験の申し込みも開始されますね!受験そのものにかかるお金(受験料や交通費、宿泊代など)をはじめ、入学金などの初回納入金や、その後の授業料など、教育費の調達計画もしっかり立てておきましょう。奨学金や教育ローンを利用する場合も、借りすぎには十分注意し、返済スケジュールもしっかりシミュレーションしてくださいね。
筆者も国の教育ローン(日本政策金融公庫)など使いながら、奮闘しています。先日、上の子の大学(私学)の後期分学費を振り込みました!!高額ですよね~(汗)教育費の調達は大変ですが、応援しています!頑張りましょう!
以上、ろうきん教育ローンについて解説!筆者が切望するカードローン型教育ローンもあります、という内容でした。
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参考リンク: